1. トップページ
  2. ニュース
  3. 京都ビジネス交流フェア、半導体ゾーン初開催

京都ビジネス交流フェア、半導体ゾーン初開催

投稿日時
2026/02/26 09:00
更新日時
2026/02/26 09:00
半導体特別展

京都ブランド創出へ布石

京都府、京都産業21が主催する京都ビジネス交流フェア2026「京都発・グローバルニッチ戦略展」が2月18、19日に京都パルスプラザで開催された。今回初めて「半導体特別展」が設けられ、京都府内に約100社あるとされる半導体関連企業のうち29社が出展。半導体メーカーから装置、部材・材料、加工組立(受託)までが一堂に並び、京都発の半導体エコシステムを志向する“縮図”のような光景が広がった。会場では「将来は京都ブランドの半導体を」との声も聞かれた。

ヌヴォトン テクノロジージャパンは、松下電子工業として出発し約70年の半導体製造実績を持つ企業。2020年に台湾のヌヴォトン・テクノロジー・コーポレーションと統合し、現在はパナソニック由来の技術基盤と台湾ヌヴォトンの強みを融合して事業を展開する。PR・コミュニケーション課長の松本成典氏は「AIの発展により電力需要の逼迫が予想される。サーバー冷却制御や電力安定化用バッテリー監視IC、パワーLSI制御など、省エネ分野で貢献していきたい」と語る。AI時代の電力増を見据え、省エネという新たな軸を打ち出す。

SCREENホールディングスは、枚葉式洗浄装置とバッチ式洗浄装置を展示。「当社製品のPRだけでなく、調達の観点から中小企業との情報交換を重視している」とする。300㍉ウエハー上の数ナノメートルの異物除去は、100m級の野球場から花粉サイズの粒子を取り除くことに等しい精度が求められるという。「それよりもさらに小さい最先端の2ナノにも対応している。世界の進化はさらに加速しており、確実に応えていく」と力を込めた。

京都イベント02.jpg

SCREENホールディングスの浄装置のミニチュアで洗浄の重要性を説明するスタッフ

堀場製作所はマスフロコントローラーを紹介。半導体製造工程で使用するガスを高精度に制御する装置であり、「微細化が進む中、ガス制御の高度化は不可欠」と説明する。ジーマックスはペルチェ素子の弱点を構造的に克服した高信頼性冷却ユニット「PV-2シリーズ」の従来比30%減のコンパクト版を訴求。西村陶業は半導体向けウエハー用ポーラスチャックを出展し、「23度一定の環境で生産管理する山科新工場で高平面精度を実現している」と強調した。

■フードテックも存在感

フードテックゾーンも活況を呈した。ホロバイオは京都大学発スタートアップで、魚の腸内環境改善に取り組む。「天然魚に比べ養殖魚は腸内細菌が少なく病気にかかりやすい。独自の腸内細菌カクテルを与えることで、タイでの実証では6か月後に体重が15%増加した」と説明した。

京都試作ネットは、金属加工業者3社によるパン用テーブルウェアブラン「Breadware Kyoto」を紹介したほか、大阪・関西万博で展示された培養肉製造装置を披露。同装置は島津製作所と大阪大学が共同開発し、京都試作ネットの加工事業者が製作に協力した。島津製作所社外での展示は初という。「当初は繊維を一本ずつ形成していたが、島津製作所の自動前処理装置技術を応用し、最大48本同時プリントが可能になった」。4月からはコンソーシアムで5キログラム規模の大量培養に挑戦する。

京都イベント05.jpg

培養肉製造装置

■大手が期待する『京都連携』

本フェアは大企業と中小企業のマッチングも狙う。TOWAの岡田博和会長は「府としての大きな枠組みの中で、中小企業とのコラボをどれだけ実現できるかが鍵」と指摘。「当社の顧客は海外が8~9割。海外拠点での地産地消を進めてきたが、今後は国内にコア技術をどう残すかが重要。そのためにも連携が不可欠」と述べた。

SCREENホールディングスの廣江敏朗会長も「チップ製造工程だけでなく、当社もAIを活用し、装置高度化のためにチップを使用している。京都の中小企業には両面から技術提案を期待したい」と語る。

半導体メーカー、装置メーカー、部材企業、加工業者が一堂に会した今回の特別展。技術の厚みを可視化するとともに、AI時代を見据えた省エネやウェルビーイングといった新たな課題を京都らしく解決する半導体圏形成への一歩ともいえる展示会となった。

 

(日本物流新聞2026年2月25日号掲載)