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【食品工場スマート化総合展から】省人・省力化に熱視線、商談即決も

投稿日時
2026/01/09 10:12
更新日時
2026/01/09 10:18

クリーン、カスタム、省力化、マテハンが注目集める

3万825人が訪れ、11月28日に閉幕した西日本最大級の食品展示会「ファベックス関西」(インテックス大阪)。同展では人手不足が深刻化する食品業界に向けた「食品工場スマート化総合展」も開催された。大手スーパーや菓子製造業などの来場者が興味を示し、担当に話を聞く場面が多く見られた。「100台単位の大口注文を見込める企業と繋がった」との声も出展社からあった。出展したをくだ屋技研は「経営者層の来場が多く、真剣に話を聞いてくれるので滞在時間が長い傾向があった」と振り返る。

ロボットSIerのA・R・Pは袋詰め食品の密閉不良を自動検出する「リークチェッカー」を実演。対象に圧力をかけ、1回目と2回目の圧力差から漏れを確実に判別する。既存ラインに組み込みやすい小型設計で「インラインに用いることができる検査装置はあまりなく、精度も必ずしもよくない。当社機は手で触っただけではNG品と思わないものも正しく検出できる」と言う。包装機械メーカーと協業し、おにぎりやパン、液物市場に売り込む考え。

A&Cサービスは積み重ねた段ボール箱の荷崩れを防ぐパレタイズグルー塗布システム「グルーマスター」を紹介。箱底面への塗布で箱同士が接着し横方向への滑りは防ぐが、垂直方向に力をかけると簡単に外れる。その際、箱への印字は保たれる。3年前の発売から改良を重ね「水溶性の糊は98%が水なので食品工場に適する。ストレッチフィルムを使うと廃棄物となり、グルーマスターなら70%ほどコストを抑えられる」と言う。塗布システム単体(価格は約400万円から)を既存の自動化ラインに後付けするか、ロボットを組み合わせたシステム(1000万円から。サブスクリプションは月25万円から)として使える。

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A&Cサービスは積み重ねた段ボール箱の荷崩れを防ぐパレタイズグルー塗布システム「グルーマスター」を紹介

3社で共同ブースを設けたユニバーサル産業らは、自動梱包機「NK-6550」のデモが好評を博した。ユニバーサル産業の大前和夫社長は「目的を持っている来場者には120%刺さった印象だ。最後に来た来場者が『これほしい』と即決で商談成立した。5~6台の引き合いがあり、これをきっかけに半年で10台は売れるだろう」と意気揚々だった。

同製品は主に段ボールを自動でPPバンド梱包するもの。足踏み式で1分間50回以上と高スピードが特徴だ。ほか折り畳み式クレーン「FoldGantry」も展示し「3件は受注できそうだ」と手ごたえを語った(後半は1月10日号に掲載します)。

象印チエンブロックは本体を防錆仕様にしたりフックなどの構成部品をステンレス製にしたクリーンな荷役機器をずらりと並べた。チェーンブロックの上部に「受け構造」を設けてゴミの落下を防ぐ機構を搭載。チェーンの代わりにベルトで荷を上げ下げする「ファイバーホイスト」も披露した。同社によればHACCPに沿った衛生管理が義務化されて以降、食品業界のクリーンな荷役機器のニーズは確実に高まったという。求めるクリーンレベルや予算感が業界の中でもバラつきが大きく、画一的な対応は難しいが「我々は都度カスタムでニーズに寄り添える。鍋や原材料の搬送にニーズがある」とする。

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象印チエンブロックはクリーン仕様の荷役機器とカスタム力を訴求

をくだ屋技研の担当者が「紹介すると毎回、面白いと驚かれる」と頬を緩めたのが油圧機構に水系作動液「エネスイ」を採用した運搬機器「パステルシリーズ」だ。成分の大半が水で周囲の環境を汚染せず、長期的な使用により万が一、液漏れが発生した際のリスクを下げられる。現状は主力商品のキャッチパレットトラックがエネスイに対応しているが、「今後は『サントカー』など他の商品も対応予定で、より提案しやすくなる」と言う。ステンレス製の運搬機器を並べて食品業界に多い専用容器の運搬も提案した。「通常の製品より高価だが、経営者層の来場が多く必ずしも費用対効果だけが重視されない。一度立ち止まるとゆっくり濃い商談ができた」と振り返った。

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をくだ屋技研は水系作動液「エネスイ」を採用した運搬機器やステンレス製の製品を紹介

日本物流新聞社のブースでは、食品業界で実績を持つ全国のロボットSIerを一覧で紹介したほか、DOBOTの協働ロボット「CR3A」の実機が稼働。両備ホールディングスのかご車用牽引アシスト車「スマリー・リンク」や、大有の「袋体投入シュートアタッチメント」も展示した。スマリー・リンクの牽引能力は500キロ。人手不足や高齢労働者の増加に対応して効率よく荷物を運びたいニーズを捉えた「ありそうでなかった商品」だと担当者は語る。様々なかご台車メーカーの仕様におおよそ対応可能。装着するとかご台車の前輪が浮き上がり、独自機構でふらつきを防ぎつつ500キロを楽に牽引できる。AGVやAMRは導入コストが数百万円に及ぶ場合も多いが、同商品は標準価格80万円。「コストでも導入を狙える」と自信を見せる。

三井精機工業はオイルフリーのコンプレッサーを2タイプ(水潤滑式とドライ式)出品。食品、薬品、半導体業界に向けてアピールした。昨年発売した小型のドライ式では、「通常必要になるオイル処分の手間がかからない」と利点を訴える。

山善はシャープと協業し、AI画像検査装置「EYEbeGenesis(アイビージェネシス)series」と設備点検DX「WIZIoT(ウィジオ)」を紹介。前者はプログラミング不要でマウス操作だけで、対象物(パンなどを想定)が接触していても個々に種類の認識と位置検出ができる。後者はスマホカメラや固定カメラで目視点検を置き換え、現場の記録から承認・日報作成まで点検業務をまるごとスマート化する。

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山善はAI画像検査装置をアピール

 

(日本物流新聞2026年1月10日号掲載)