全機種で切粉分断が可能に
中村留精密工業は新たな切粉分断機能「トライアングルカット」を発表した。三角形を描くように旋削経路を動作させるもので、揺動切削と比べ面粗さが悪化しにくい傾向がある。揺動切削が適用できなかった角スライド機にも搭載でき、同社の全機種で切粉の分断機能が使えるようになる。7月1日出荷機から搭載する。
同社はこれまでも、切粉の絡まりやワークへの接触によるトラブルを防ぐために、サーボ制御で工具を振動させて切粉を細かく分断する揺動切削機能を展開してきた。しかし動作が高速な揺動切削は損傷の危険性から角スライド機には適用できず、角スライド機にも搭載できる新たな切粉分断機能としてトライアングルカットの開発に至った。
同機能では加工時に三角形の経路を描くことで刃先を被削材から離し、切粉を分断。揺動切削より面粗さが悪化しにくく「通常旋削と比べ1.2?2倍のレベル」に抑えられる。反面、加工経路が伸びるため加工時間は2.7倍?3倍に伸びることがあるという。「切粉処理問題を解決する1つの機能として活用いただければ」(同社)。なお、現在使っている加工プログラムに簡単な追記を行うことで切粉分断機能を使用できる。
(2024年5月25日号掲載)