山善・家庭機器事業部、インテリア新春商談会を有明で開催
- 投稿日時
- 2026/03/26 09:00
- 更新日時
- 2026/03/26 09:00
株式会社山善
推し活需要の取り込み狙う
山善・家庭機器事業部は2月2日〜13日にかけて、自社ショールーム(東京・有明)で新春恒例のインテリア商談会を行った。流通業などから30社72人(前回27社54人)が訪れた。物価高や為替の逆風を受け家具・インテリア業界全体が厳しい環境にある中、前回よりも来場者数が増えたことに対し、同事業部商品企画2部の山川圭一部長は「山善には何か新しいものがあるんじゃないか、と期待感を持っていただけている」とその背景を読み解く。
会場の最前列に並んだのは、一昨年から力を入れる特価商品だ。期間・数量限定で従来の山善らしい価格にこだわった商品群。担当MDが確実に売れるものを見定めて集中的に仕入れることで、商品価格を数年前の価格帯まで下げた。「様々な販路を持つ山善だからできることで、品質はもちろん、とにかく価格にこだわった」(山川部長)
一方、来期(81期)の主力テーマとして掲げるのが「推し活」需要の取り込みである。「推し活というとアイドルやアニメなどを思い浮かべられると思うが、それ以外にも釣りや読書、酒などの趣味も推し活の一種。財布の紐は固いとはいえ、そうした本当に求めている物には惜しみなくお金を使う傾向がある」。一部の調査では推し活の市場規模は数兆円と見る向きもある。提案方法やラインナップを見直すことで、ニーズを取り込みたい考えだ。
今回の商談会では、従来の本棚にひな壇形のオプション棚を付けることで、本以外の収納・展示を可能にする商品や、壁に傷をつけないピン固定式のウォールシェルフのアクリルケースタイプなど、コレクションを美しく魅せる収納商品を一部先行して展示した。既にガラスシェルフなどは商品化が決まっており、6月末ごろからの投入を目指す。
■時勢捉えた新生活商品
時勢を捉えた製品にも注目が集まった。住まいの狭小化を捉えたのが、シングルサイズよりさらに小さいセミシングルサイズ(幅80〜85㌢)のベッドだ。以前から存在したサイズだが、店頭扱いは少なく事実上「(市場に)ない商品」に近かった。ネット通販の普及も相まって、商品と消費者の潜在ニーズが繋がった。山善では専用の布団・マットレスなども同時に展開しており、全ベッド販売数の15〜20%を占めるに至っている。「わずか10㌢ほどの差だが、部屋が広く使えることにメリットを感じていただいている。シングルサイズ(幅100㌢)が当たり前という固定観念は売り手側の都合に過ぎなかった」
組み立てのしやすさも、新生活などで忙しい消費者にとって重要な訴求ポイントだ。昨年投入した「工具なし」で組立て可能なすのこベッドは、楽天のベッドランキングで1位を獲得するなど好調な滑り出しを見せている。「以前ならボルトを使った複雑な組み立てが当たり前だったが、消費者の声に応えながら改善を重ねてきた」。高さを4段階(脚なし/10/14/24㌢)で変えられるため、ベッド下の収納やロボット掃除機の活用などができる点も支持されるポイントだ。固定観念を疑い、潜在需要を丁寧に掘り起こす姿勢が、厳しい業界環境の中で同社が存在感を発揮し続ける源泉だ。

組み立てやすいすのこベッド
(日本物流新聞2026年3月10日号掲載)