EV化をチャンスに
WCTC2024(世界切削工具会議)が5月21日?24日にかけて大阪国際会議場などで開催された。日本での開催は、アジア圏で初開催となった2013年京都会合に引き続き2回目。11年ぶりの開催となり、17カ国から170人が参加した。
22日の開会式で、日本機械工具工業会の松本克洋会長は「当会の生産額は2018年度までは順調に伸び33・3億ドルを超えた。しかしコロナ禍により22年度には25億ドルに落ち込んだ。また輸出の割合は16年度は33%だったが22年度には38%まで伸びた」とし「24年度は生産額34億ドルを目標としているがEV化による切削工具の需要の減少など様々な要因があり決して簡単な数字ではない。しかしEV化による被削材の変化や加工の変化に伴う新しい工具の需要や開発の可能性もある」と挨拶した。
その後、欧州、米国、韓国、インドなどの切削工具の景況感や今年度の展望などが報告され、午後からはツアープログラムに。キリンビール工場や神戸酒心館などで参加者は見学を楽しんだ。ツアープログラムの一つ、MSTコーポレーション工場見学には39社、61人(8カ国、国内41人、海外20人)が参加。同社は日本で最も古い歴史をもつツールホルダーメーカーであり、見学会を積極的に行い工場設備、自動化設備や工場内の環境整備や改善の取り組みを共有し、業界の発展に貢献している。「世界中の工場の生産性を向上させるためには、切削工具、工作機械、ツールホルダーが三位一体となる必要がある」(同社・弓場隆氏)とした。
開会式であいさつする日本機械工具工業会の松本克洋会長
(2024年6月10日号掲載)