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テルミック、3Dプリンターで「思い出」出力

投稿日時
2024/12/11 09:00
更新日時
2024/12/11 09:00
中川幸作Director and Executive Officerをペットごとスキャンし、3Dプリントしたリアルなフィギュア

部品製造・フィギュア造形のサービス開始

3Dプリンターで部品を出力する企業は数あれど、「思い出」を出力する企業は聞かない。部品加工や調達を手がけるテルミックはこのほど、愛知県常滑市の拠点に複数台の積層式3Dプリンターと、1000万色を出力できるフルカラー3Dプリンターを導入。企業向け部品製造のほか、人や動物の全身をスキャンしリアルなフィギュアを造形するサービスを始めた。

サービス責任者の中川幸作Director and Executive Officerは「導入した積層式プリンターの積層ピッチは0.2㍉で、一部の高精度部品を除けば切削と遜色ない品質。百分台の精度が必要な樹脂部品は稀で、強度を満たせれば樹脂部品の製作依頼の大半をカバーできる」と語る。加工が速く歩留まりも良いため費用は切削の3分の1で、すでに治具部品など受託した一部部品で3Dプリンターを使っている。

フィギュアの造形サービスも展開する。冠婚葬祭や七五三、記念日などの際に実際の姿を写真ではなくフィギュアで残すというもの。72個のカメラを使い全身を3秒で3Dスキャンする設備をりんくう常滑オフィスに設置し、利用者は記念写真を撮る感覚で同施設を訪れ、2~3週間でフィギュアを受け取れる。今はカメラの死角部分のデータ編集に工数がかかるが、今後はフィギュア用プリンターを複数台に増やし、撮り溜めたデータを一挙に出力し生産性を上げる計画だ。

同社は子ども向けに3Dプリンターを使ったワークショップの開催も計画する。同社のラジオ番組「テル★ラジ」のパーソナリティを務めるリンリン(石井)さんは「小さいうちから製造業の魅力、良さを知って頂ける取り組みに育てたい」とする。

(日本物流新聞20241210日号掲載)