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停電時も蓄電できる直流給電

投稿日時
2023/02/27 09:00
更新日時
2024/08/19 13:19
ナカジマテックが導入した直流給電システム

じわり浸透、ナカジマテックは120kW導入

 太陽光発電の利用が工場や家庭で広がっている。だが、大規模な停電が起こった際、発電しないことがあるという問題が明らかになった。太陽光パネルで発電した電気(直流)を蓄電するには、交流電源を必要とするパワーコンディショナーを動かす必要があるが、その交流電源が得られないためだ。
 この問題を解決する直流給電システムを東京整流器(神奈川県川崎市)が提案しており、近年、稼働を止められない工場などに採用されだした。部品供給装置や機械部品を製造するナカジマテック(静岡県牧之原市)もその1社だ。同社が20199月までに導入した120?`ワットの直流給電システムは国内最大規模という。太陽光パネルで発電した電気をパワコンを介さずに蓄電する(発電した直流電源で動くコンバーターを使用する)ことで、通常の直流→交流→直流の変換ロスがないのも特長。工場内にある高天井用40基を含むLED照明(6.7?`ワット)と空調(8馬力×8台、20?`ワット)の消費電力の約8割を賄えるという。ナカジマテックの小原照光社長は「当社は気候変動や脱炭素などの対応に力を入れており、社会貢献や地域貢献は創業者の理念でもある」とシステム導入の動機を話す。
 東京整流器の加藤章利副社長は「停電した時に使えない太陽光パネルはたくさんある。パネルメーカーさんは停電時にも電気は使えると主張するが、使えるのはパワコンに付いた1.5?`ワット程度の特定のコンセントだけという場合がほとんど。これではあまりにも電力会社に依存しきっている」と話す。

2023225日号掲載)