TOKYO PACKレポート
- 投稿日時
- 2022/11/23 09:00
- 更新日時
- 2024/08/19 13:21
環境対応、自動・省力化提案多数
10月14日までの4日間、東京ビッグサイトの東1?3・6ホールを使用して開催された「TOKYO PACK 2022」(主催:〈公社〉日本包装技術協会)は来場登録者数約5万3千人、出展社数406社、小間数1602小間を記録した。今回展では「新時代パッケージ ここに集う! ?未来のための機能進化と使命?」をテーマに環境対応や自動化・省力化につながる製品が多数見られた。
脱プラの逆風を受けながらも、プラスチック製品の強みを活かした提案をしたのが国盛化学だ。段ボールなどの板材をワンプッシュで締結できるパンロックの新製品「パンロックRE」は、2層強化段ボール(10ミリ×2枚)などの分厚いものも簡単・強力に締結することができ、繰り返し使用できることが特長。同社の担当者は「輸出向けにはプラスチック包装から強化段ボールへの移行が進んでいます。本製品は厚みのある板でも簡単に締結でき、従来品と違い繰り返し使用可能です。素材にポリプロピレンを使用しているためリサイクルにも向きます」と話す。
展示会に向けて用意した20台の機械のうち展示会2日目時点で16台が売れたというのは、フレキソ製版のパイオニア・シンエイが初出展した超音波式の印版自動洗浄システム「Super Sonic FLEXα」。段ボールなどへの印刷に使用した版はこれまでブラシで洗浄していたため消耗が激しかった。本製品は超音波によって洗浄するため、版表面の磨耗が抑えられ、無駄な版を作る必要がなくなるという。
■ロボットによる省力化提案なども
今年の展覧会の1大トレンドである自動・省力化提案も数多く見られた。人だかりをつくったのがオークラロボットサプライカンパニーのブース。新開発の段ボール開梱システムを使ったおみくじ体験で魅せた。本製品は段ボール上部の開梱、切り取った上蓋の廃棄、製品入り段ボールを挟み搬送コンベアに中身を取り出す一連の作業を、1台のロボットがハンド交換なしで行うのが特長。展示会では3種類のサイズの段ボール、2種類の中身(固形物、バラ物)の情報を搬入コンベヤ上で段ボールに付されたQRコードから読み取り、それぞれに合った切り方、把持方法、取り出し方をしてみせた。同社によれば「一連の作業を1台のロボットでできるので、導入コストやサイクルタイムを抑えられる」とのこと。
紀州技研工業は逆転の発想で省力化を実現した連続式インクジェットプリンター「CCS7000」(来年発売予定)を提案。同社によれば「他社はプリントヘッド洗浄の自動化を提案していますが、本製品は洗浄自体をなくすという発想で設計しました」という。プリントヘッドに搭載した気流制御機能「AIR SCUDO(エアースクード)」はインク排出時に追い風を送ることでインク滴の飛翔を最適化すると共に、インク滴の乾燥時間を25%短縮し、インクミストの発生を抑える。加えて、ヘッドへのインク跳ね返りを大幅に低減するため、ヘッド洗浄をほとんどしなくてよくなるという。
オークラサービスの段ボール開梱ロボットシステム
(2022年11月10日号掲載)