超大型MCで鋳物加工内製へ
DMG森精機は4月中旬、伊賀事業所で同社の工作機械のベッド・コラムなど大物鋳物部品の切削・研削加工を行う第3精密加工工場を稼働開始した。
これまで同事業所では2棟の精密加工工場で部品を内製しており、3棟目の精密加工工場の新設により、5軸・複合加工機の需要増による大型で高精度・高品質部品の生産を増やす。
同加工工場にはフロンテン工場(独・バイエルン州)で生産された超大型5軸マシニングセンタ「DMU1000SE」を3台導入。現在2台目の設置が完了し、5月から本格稼働する。3台目は2025年に導入予定で、研削仕様を追加する。「従来使用していた他社製の大型5面加工機5台と大型研削盤4台の合計9台を同機3台に置き換え、工程間のワーク搬送や段取り替えの時間や加工時間の短縮を図る」(同社)と工程集約を自社製機械で実現する考え。
第3精密加工工場は建築面積5698平方?b(延床面積5616平方?b)の地上1階建てで、総投資額は建物に約25億円、機械に約30億円。生産能力は年間約1万4千?d(DMU1000SEを3台導入後)としている。
DMU1000SEは垂直方向に移動可能な高性能ラム(Z軸)と、クロスビーム(W軸)を備えた門形構造。高い加工精度と剛性を備えた大型5軸加工機「DMU600P」をベースにした、テーブルを2つ配置可能な特別仕様となる。テーブル連結時は最大1万3千?_の大物鋳物の加工ができる。
「高精度な同機と蓄えてきた豊富な加工ノウハウにより、複合加工機『NTX 2500 2nd Generation』に使用するベッド加工では、従来比で加工時間が約3分の1に削減した」と大型機導入による生産性向上に力を入れる。
(2024年5月15日号掲載)