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ヤマザキマザック、自社展で新型中径パイプ向けレーザー機

投稿日時
2025/12/25 09:00
更新日時
2025/12/25 09:00

ヤマザキ マザック(株)

デジタルサービスの機能拡充も

ヤマザキマザックは123日から3日間、美濃加茂製作所で自社展を開催。φ254までの中径丸・角パイプと各種形鋼を高速切断できる3次元ファイバーレーザー加工機「FT250」を初披露した。材料を動かすのではなくU軸を持つヘッド自ら左右に動く構造で、材料移動に伴う振動や位置ズレがないため高速かつ加工精度が高い。U軸とX軸を同時に動かせるようになり、2019年に発売した小径パイプ向けレーザー加工機「FT-150」より高速で加工ができるようになった。自動倉庫やデータセンターのラックで中径パイプの加工需要が増えているという。

マザックFT-250.jpg

3次元ファイバーレーザー加工機「FT250

定額制デジタルサービス「マザトロールDX」も体験コーナーを設けて訴求した。同ソフトは見積りやプログラム作成など作業者のスキルに依存する作業を簡易化し、オフィスPC上で行えるようにするもの。3Dモデルから見積りやプログラムを自動生成。ネットワーク経由で現場の機械の情報を取得しており、PCで高精度なシミュレーションも行える。PC上で機械負荷を可視化し加工条件の調整も可能だ。データを作成すると段取り指示書が加工機に送信され、現場はそれに従い簡単に段取りできる。大半の作業をオフィスで実施し、機械の稼働率を向上させる。

同ソフトは国内で先駆けて発売したが24年に欧州、25年には米国、中国、東南アジア、インドでも販売を始めた。元は2軸旋盤が対象だったが立形MCや複合加工機、5軸機、横形MCにも対応している。従来は機械で作成していた計測プログラムをPCで作る機能も追加した。26年2月には「教育サポート」機能も拡充予定という。PCNC画面を再現し実機同様の操作トレーニングができる機能で、稼働を止めずにトレーニングが可能になる。

AM(付加製造)の技術も展示された。同社はAM機能を複合加工機や5軸加工機に搭載しているが、近年は部品の補修やコーティングなどに使われているという。ワイヤーアーク式のAMで従来は溶接で行っていた破砕機の刃の補修を代替したり、産業用ロールのメッキ処理をレーザー式AMによるコーティングに置き換えるなどの活用方法が紹介された。メッキ処理をAMに置き換えることで環境負荷を減らし、材料費を安く抑えることが可能になるとする。

マザックAMサンプルワーク.jpg

AMで破砕機の刃を補修した例。溶接で肉盛りし後加工を行う従来の手法より生産性が高まる