前田技研、9月開催のデザイン展で3Dプリンターブランド提案
- 投稿日時
- 2025/08/25 14:36
- 更新日時
- 2025/08/25 14:38

自動車向け金型や試作部品を手掛ける前田技研(愛知県岡崎市)は、9月3日から3日間東京ビッグサイトで開催される「LIFE×DESIGN」に出展する。3Dプリント製品の魅力をより広く伝えるべく2023年に立ち上げたブランド「孚美(ふうび)」で、新たな領域へと提案を強化する。
同社は2020年に大型3Dプリンター「EXF-12」を導入。最大幅1700×奥行1300×高さ1000ミリメートルの出力サイズを誇る同機は、毎時15キログラムの樹脂を吐出できる。付加造形方式のため切削加工よりも廃棄物量を削減できるだけでなく、原料ペレットには廃棄樹脂の利用や生分解性樹脂、杉の間伐材、貝殻などを混ぜ込むことも可能。これまで樹脂製品の製造にかかっていた金型製造コストや時間、環境負荷を低減する。
「美しいものを育む」という意味を込めた孚美は、天然素材と再生資源を用いた家具やインテリア製品を展開。また、オブジェやパーテーションなどのオーダー製作も一点から行っており、ホテルやオフィスなどにも販路を広げている。昨年には神戸国際会館前に設置されたモニュメント兼ベンチ「BE KOBE」の植木鉢225個の造形を担当。間伐杉を混ぜた材料を使用しわずか1カ月で造形・納品した。
同展では、ブランドを象徴する大型の丸テーブルをはじめ、デザイン性と実用性を兼ね備えた多彩なプロダクトを出展予定。オフィス家具展示会「オルガテック東京2025」で新たに発表した背もたれ付きの椅子も提案する。同社担当者は「孚美は家具からサステナブルな取り組みに貢献できる。カタログ品だけでなく、オーダーにも対応する。3Dプリンターならではのメリットを体感いただくためにも、気軽にお声かけいただきたい」とコメントする。
(日本物流新聞2025年8月25日号掲載)