2千時間メンテナンスフリーに
DMG森精機は2月末、設備メーカーのGLOCK ecotech GmbH(オーストリア 以下GLOCK社)、エンジニアリング担当のテス・エンジニアリング(大阪市淀川区)との3社共同の取り組みにより、木質バイオマス発電のガス化炉メンテナンスフリーで連続稼働2000時間の達成を発表した。
同社は2022年5月から、CO2排出量が実質ゼロとなるGLOCK社製の木質バイオマスガス化熱電併給設備を伊賀事業所に導入し、運転開始している。同設備は木質チップ原料を蒸し焼き(ガス化)し可燃性ガスを取り出し、電気と温水を生み出すもので「発電施設に隣接した塗装工場の動力・空調・照明用電力の約25%をまかなっており、温水は同工場の洗浄液の温度管理などに使っている」(同社)
木質バイオマスガス化熱電併給設備は、ガス化炉内に付着物が堆積し、閉塞トラブルが発生するため安定稼働のためには適切な予防メンテナンスが不可欠だ。同社は約500時間ごとにガス化炉内のメンテナンスを実施していたが、メンテナンスフリーの時間拡大のため3社共同で、木質チップの品質改善やチップ微粉を除去するふるい装置の追加、ガスフィルタの目詰まり解消機能を改良。一般的な目安とされる500時間を上回る連続稼働2000時間を達成し、年間稼働率を65%から80%以上にまで高めた。
(2024年3月25日号掲載)