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マザック、中径パイプ・形鋼高速切断

投稿日時
2025/12/15 09:10
更新日時
2025/12/15 09:12

ヤマザキ マザック(株)

2025年12月3日に開いた自社展でFT-250を初披露した

中径パイプの加工需要増に対応

ヤマザキマザックが12月に発売した3次元ファイバーレーザー加工機「FT-250」は、φ254までの中径丸パイプや角パイプのほか、203ミリまでのアングル、I形鋼、H鋼などの各種形鋼に対応する。特筆すべきは3Dレーザーヘッドで複雑かつ高速にワークを加工できる点だ。材料を動かすのではなくU軸を備えたヘッドが左右に動く構造で、材料移動に伴う振動や位置ズレが起こらないため非常に高速かつ加工精度が高い。同社は2019年に小径パイプ向けの「FT-150」を投入しているが、FT-250からはU軸とX軸を同時に動かせるようになり、より高速で加工ができるようになった。

同社によればFT-250が対象とする中径パイプの加工需要が足元で大きく伸びているという。自動倉庫やデータセンターのラックなどの需要が増加傾向にあることが背景にある。他にも建機や農機、建築物のトラスなどこのクラスの鋼材の用途は幅広いようだ。同社は「非常に良いタイミングでこの機械をリリースできた」とする。

パイプの連続投入が可能なバンドル式ローダーを標準搭載し、ワークサイズと形状に合わせて材料を自動搬入する。量産に向いた機械だが、多品種少量生産向けに形状の異なる材料を最大5本収容できるVサポートコンベヤ式ローダーもオプションで搭載できる。回転工具ユニット(オプション)は13本までの工具を搭載でき、M16まで(軟鋼はM20)のタップ加工が可能。このように工程集約と自動化を両立した機械だ。

なお同社は同じく3Dヘッドを持つファイバーレーザー加工機「FG(ファブリギア)」も展開している。FTも複雑な加工が可能だが、FGはヘッドの回転軸がさらに1軸多くFTより「非常に複雑な加工ができる」とする。FTFGとも販売は好調で「安定的に売れている」と言う。

マザック02.jpg

FT-250で加工したサンプルワーク。複雑な切り欠きが施されているがFGはより複雑な加工が可能という

(日本物流新聞20251210日号掲載)