日本EMC、越製レーザー加工機展示会
- 投稿日時
- 2026/02/06 09:30
- 更新日時
- 2026/02/06 09:34
SUS60㎜切断デモを実施
日本EMCは1月21~23日の3日間、ステンレス・アルミを中心に高度な溶接・製缶加工を手がけるキクタ(兵庫県尼崎市)本社において、展示会を開催した。会場では、昨年日本で初導入したレーザー発振器出力30キロワットのベトナム製ファイバー・シングルテーブルCNC切断機を披露。SUS60㍉の切断デモを行い、その高出力性能を広くアピールした。同機は最大でSUS100ミリまで切断可能としている。
キクタはこれまでに、500A(外径508ミリ)×6000ミリの長尺材に対応し、穴あけや45度開先加工も可能なファイバーチューブレーザーCNC切断機を導入。その性能評価を踏まえ、同社菊田一郎会長が80歳を超えて輸入販売会社「日本EMC」を設立、自ら社長に就任した。日本総輸入元として、EMC製レーザー切断機の販売に乗り出す。

【写真左】菊田一郎 日本EMC社長
【写真右】ホー・シー・フン EMCテクノロジー投資社長
EMC製レーザーは、国際サプライチェーンを活用し、各国の高性能コンポーネントをベトナムでアセンブリーする“国際オムニバス機〟という位置づけ。キクタはユーザーとして、長期使用における耐久性については現時点で評価途中としながらも、価格は日本製・ドイツ製の半分以下であり、部品交換を前提としても十分な価格優位性があるとみる。なお、今回披露された切断機の発振器は、中国・深圳の「Maxphotonics(マックスフォトニクス)」製だという。
ベトナム市場では、中国系高出力レーザーメーカーの攻勢が強く、また現在まさに設備導入期にある。多くのベトナム製造業者は国際市場を見据え、当初から30キロワット以上の最新鋭機を投入し、技術的な“飛び越え(リープフロッグ)〟を狙う戦略をとる。これにより、「発展途上国と思っていたベトナムが、レーザー加工では非常に先進的だった」(菊田日本EMC社長)という状況が一部で生まれているようだ。
展示会冒頭のあいさつで、菊田社長は「日本やドイツの切断機を使ってきたが、今回導入したEMC社製は素晴らしい。ぜひ皆さんに実機を見ていただきたい」と述べた。続いて、EMCテクノロジー投資のホー・シー・フン社長は「今回のコラボレーションは、日本のテクノロジーの未来を変えることになるでしょう」と語った。
その後行われたデモ加工では、SUS60ミリの切断や開先加工などを実演。参加者は間近で加工の様子を見つめ、熱心に質問を投げかけていた。
ホー・シー・フン社長に聞く
SUS200ミリ切断可能な機種も
――レーザー発振器はどちらの製品でしょうか。また、30㌔ワットという高出力は日本ではまだ少なく、耐久性を懸念する声もあります。
「光源はIPG(米国)やTRUMPF(ドイツ)など、顧客の要望に応じて選択できます。キクタに導入した機械は、中国・深圳のMaxphotonics製です。ベトナム国内では30㌔ワット以上の高出力機が多く使われており、長年の運用実績とノウハウの蓄積があります。高出力領域でも耐久性には自信を持っています」
――高コストパフォーマンス機という印象ですが、価格と性能の両立については。
「まず、物価水準が違いますので、ベトナム市場では決して“安い機械”ではなく、“高級機”の位置づけです。日本製を含め各国から優秀な要素部品を集め、ベトナムで組み立て、制御プログラムは自社開発です。組立技術とプログラムに、我々の差別化要素が詰まっています」
――ラインナップの中で最大出力の機械は。
「最大出力80キロワットの機械があります。SUS200㍉の切断が可能です。それ以上の出力については現時点で大きな需要がなく、開発予定はありません。また高出力化のメリットは、厚物が切れるだけでなく、薄物加工においても品質を高められる点にあります」
――輸出戦略について教えてください。
「現在はベトナム国内向けが約8割、輸出が約2割で、インドネシア、インド、ロシア向けが多い。日本も有力な市場です。日本向けについては、まだ売上KPIを設定する段階にはありませんが、日本EMCと協力しながら拡大を目指していきます」
(日本物流新聞2026年2月10日号掲載)