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【現場改革】今求められる物流、マテハン機器とは?

投稿日時
2025/02/27 09:00
更新日時
2025/02/27 09:00

昨年4月、物流産業を魅力ある職場とするため、働き方改革に関する法律が適用された。トラックドライバーの長時間労働には制限がかかったが、昔ながらの商慣行など物流産業はまだまだ見直しが必要であるとの見方が大勢だ。そうした中、4月1日からは物流関連二法の改正法の一部が施行される。物流を持続可能な産業とする足がかりとして、注目を集めている。本特集では物流・マテハン関連の機器やシステムを通じた現場改革によって持続可能な物流を実現しようとする動きを探った。


■物流関連二法4月から施行

昨年4月、物流産業への働き方改革に関する法律が適用されたことで、トラックドライバーの時間外労働上限が960時間に制限された。これに伴って発生すると懸念されていた輸送能力の不足といった「物流の2024年問題」による大きな混乱は、今のところ発生していない。

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一方で、労働時間や人口の減少という構造的な課題は何ら変わっておらず、引き続きの対策と荷主・消費者の行動変容を促す抜本的・総合的な対策が求められている。その対策の一端が4月1日から施行される物流関連二法の改正だ。政府は改正に伴って発生する義務や努力義務を通じた施策を講じていくことで、「物流の持続的成長を図ることが必要」との認識を示している。

対策の概要については下記の表の通りだが、改正のポイントは3つ(「物流の効率化」「商慣行の見直し」「荷主・消費者の行動変容」)。企業にとっては手間が増える内容とはなっているが、目標の設定(中長期計画)や実際の運用状況の把握(実運送体制管理簿の作成など)、定期報告などを義務付けており、実行性を伴う変革を促し、社会的インフラである物流を持続可能なものにしようとする国側の本気度も窺い知れる。

また、KPIも設定されており、施行後3年で2019年度に比べて、「荷待ち・荷役時間」は1人当たり年間125時間削減、積載率向上による輸送能力の16%向上を目指す。これに対し、国土交通省 物流・自動車局大臣官房審議官の木村大氏は(公社)日本ロジスティクスシステム協会が開いた新春講演会で「ドライバーの平均的な拘束時間12時間強のうち、約3時間が荷待ち・荷役時間に費やされている。この部分から1時間削る取り組みを全運行のうち半分でやってもらえれば達成できるくらいの目標。輸送能力も、現在4割弱ほどである積載率を半分の車両で5割以上に持って行ければ、4割強にはなる」と述べ、「全てのステークホルダーが着実に対策を実行していくことが非常に重要」と強調した。

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国土交通省 物流・自動車局大臣官房審議官の木村大氏

■設備投資で企業価値向上

木村氏が「物流にかかる、ロジスティクスにかかる、社会全体にかかるストレスは、物自体の動きに無理があったり、働いている人のワークスタイルに無理があったり、お金が余計にかかっていたり、色々なところにしわ寄せを生んでいる。これを、イノベーションの力を借りながら、無くしてく、解消していくことが2024年問題の大きな方向性だと思う」とも指摘するように、2024年問題の解消に向け、マテハン機器やシステムを活用した改革がより一層重要となっている。

こうした中、活況となっているのが物流業界の中でのM&Aだ。従来から業界でのポジション確保のため、物流業界ではM&Aが経営手段の一つとして積極的に利用されてきた。しかし、2024年の物流業界のM&A件数は121件となっており、前年に比べ2割以上増加している。

2024年問題を契機とした後継者不足や人手不足、燃料価格の高騰などを理由に大手物流会社のグループに売却を考える中堅中小企業が増加するとともに、人材獲得や車両・拠点の確保、販路拡大などを狙って買収に積極的な企業も見られる状況だ。

さらに、昨年からはロジスティードやSGホールディングス、セイノーホールディングスなど物流大手による大型買収が相次いで発表されており、2025年も生き残りをかけた業界再編の動きがさらに慌ただしくなると見られている。

先行きが不透明な中、会社を存続させていくには誰と手を組むかが非常に重要になってきている。意図しない買収や企業価値を低く見積もられることがないよう、物流拠点やマテハン機器などの設備投資をしっかりと行い、企業価値を向上させることも重要な視点となってきている。






アイコム、トランシーバーと電話の1台2役

一斉同報での割込み通話も可能


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物流倉庫や工場、病院や商業施設の通信機器として浸透しているPHSやトランシーバー。しかしトランシーバーは距離による通話範囲の制限や、数年ごとに必要とされる機器の登録更新などの買い替え需要があった。一方、PHSは2023年に公衆PHSのサービスの終了など、代替となる通信システム検討のタイミングにある。

総合無線機メーカーのアイコムがPHSやトランシーバーの買い替えを担う製品と位置付けるのが「IP210H」(=写真)だ。電話とトランシーバーの機能を搭載した2in1端末として、屋内屋外問わずどこでも内線・外線が可能。加えてトランシーバーと同様にワンプッシュで一斉同報が行える。

無線機の流れを汲むボディデザインで、音量つまみや緊急呼び出しボタンなどを備える。防水防塵仕様(IP57)や最長約30時間使える大容量バッテリー、操作性のシンプルさも強み。さらに、従来のトランシーバーではできなかった同時通話や割込み通話にも対応するなど、伝達すべき情報の迅速化をかなえる。

「特に物流倉庫では会話が非常にスピーディー。アプリなどを切り替える煩雑さがなく、無線機の良さでもある通話を優先したシンプルさは大きなメリット」とし、「事務所でPHS、現場はトランシーバーと2台持ちする人には『1台に集約できる』と重宝されている。また現場のDX化や倉庫や工場のエリア拡大などにより数百台規模での導入が見込まれる」(宣伝広告部八田恵梨子プランナー)と言う。

同社の「telelink」対応製品でもあり、専用端末やスマホなど、現場や管理者によって通信機器が異なっていても内線・外線および一斉連絡といった多様な通話環境を構築できるなど、幅広い現場・場面にフィットする。








AGF、フォークマン不足で熱視線

コスト度外視で導入する現場も


物流の2024年問題は、フォークマンの不足という状況も生み出している。物流現場で多く活用されているフォークリフトは、運転技能講習や特別教育を修了し「フォークリフト運転技能講習修了証」(フォークリフト免許)を取得した人しか運転することはできない。これまでも免許保持者は不足気味ではあったが、ここにきて物流現場では大きくフォークマンが不足しているという。

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昨年の国際物流総合展ではAGFの提案が目立った

「フォークリフト免許保持者≒トラックドライバーであることが多く、昨年4月から処遇が改善され、より人手不足感の強いトラックドライバーに人材が流れている。また、以前のように荷役作業をトラックドライバーに任せることも難しくなっているため、物流施設内でフォークリフトを操縦できる人がいないという声をよく耳にします」(清和ビジネス・塚本聡氏、以下同)

そうした中で、無人搬送フォークリフト(AGF)の活用・引き合いが増えている。「まだまだ一般的なフォークリフトと比べると割高で、できる作業も限られており、コストメリットは出しにくいですが、それ以上に人材の不足感が強く、これ以上に人手が足りなくなる前に一部の作業だけでもAGFで自動化したいという企業が増えています」

従前から求められている熟練したフォークマンと同じ作業を、同じ処理能力で行うことはまだまだ難しい。そこで、定点の往復での運搬や処理に時間がかかってもよい品だけを任せ、フォークマンは人間にしかできない作業に集中することで、少ない人手でも全体の効率を落とさないなど活用方法もこなれてきた。

「人と協働して作業を行うのはまだむずかしいです。作業スペースを区切って、明確な役割を与えれば単純な搬送は淡々とこなしていきます。また、パレット自動倉庫などと組み合わせて、保管までほぼ自動化する企業も増えてきました」

一方で、トラックへの自動荷役など、より複雑で人間との協調が求められる作業の自動化も現実のものとなりつつある。トヨタL&Fは、3Dライダーやカメラでトラックのサイズ、停車位置、荷台高さ、荷台上のパレットのズレを読み取り、最適なルートを作成、トラックへのパレットの自動荷下ろし、積み付けを行う。同社の担当者は「デモに留まらず実用の域に来ている」と話す。

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トヨタL&Fはトラックの自動荷役が実現段階にあるとする






プロジェクター、ピッキングや安全対策に活用進む

高輝度・小型軽量モデル続々


物流施設でプロジェクターを見かけることが多くなった。天井や仮設の構造体に吊って、ピッキング作業の際に指示を出したり、現場の安全対策向けに活用されている。

従来、プロジェクターは会社の会議やプレゼンテーション、教育時の映像投影用に用いられることがほとんどであったが、大型ディスプレイの低価格化などを理由に2019年頃から大幅に需要が落ち込んだ。コロナ禍には、リモートワークが進んだことで更に市場はシュリンクし、16年のピーク時と比べて半分ほどとなっている。

主要な市場が落ち込む一方で、物流現場や製造現場での活用が広がり、専用のモデルを作る企業も出てきている。カシオ計算機は、2021年に組込専用のプロジェクションモジュール「LH-200」を発売。2000ルーメンの高輝度モデルでありながら、機能を極力シンプルにすることで、本体質量1.01㌔、手の平に乗るほどの大きさにサイズを抑え、どこでも設置しやすくした。

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カシオ計算機の組込専用のプロジェクションモジュール「LH-200」。製造現場も組立て工程などでも活用が進む

「製造工場の組立てラインでの作業手順書や作業指示の表示、物流現場のピッキングシステムや無人搬送台車と連携したエラー表示や危険を知らせるアラート表示などを目的として活用が進んでいます」(同社担当者)

これまで、プロジェクターは輝度が低いため明るい空間では表示が見にくい課題があったが、映像処理技術の進歩などで改善が進み、現在は明るい空間でも表示できる2000ルーメン以上の高輝度かつ小型のモデルが市場に多くある。カメラやセンサーなどと組み合わせて使用することで、ピッキング時や仕分け時の誤ピック、誤投入を自動かつ作業者にわかりやすい形で表示したり、無人搬送車の走行通路上にある横断箇所の床面や壁面に車両の接近を知らせる表示などに活用されることが多いという。

シャープも20年にプロジェクターなどを手掛けるNECディスプレイソリューションズを子会社化。レーザー光源を活用することでより高輝度の映像を出力でき、明るい場所でもはっきりと見やすい表示を可能する。スタンダードモデルでも輝度4000ルーメンと明るさは十分で、本体質量も3㌔と比較的軽量で設置もしやすい。オフィスなどでも採用の多いモデルだが、物流向けでも活用が広がっており、販売に力を入れているという。

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シャープのプロジェクターは明るい場所でも映像をはっきり表示できる






最新マテハン アップデート情報


近年、最先端技術を武器にマテハン業界を盛り上げてきた新鋭のマテハンメーカーも、国内市場で一定以上の評価を確立しつつある。ユーザー側もそうしたメーカーの存在を注視しており、検討段階から新鋭メーカーを指名買いするといったことも聞かれる。市場の過熱状況を見て、新たなメーカーの参入も相次ぐ。が、ここにきて先行する企業は、新たな機能を追加したり、製品を大きくブラッシュアップすることで、差を広げようとしている。


ラピュタロボティクス、ピッキングアシストロボに新機能

フォーカスピッキングと重量検品機能を追加


ラピュタロボティクスは協働型ピッキングアシストロボット「ラピュタPA-AMR」に、フォーカスピッキングと重量検知機能を相次いで追加した。

ラピュタPA-AMRは2020年7月に商用化して以来、これまでに約60拠点以上、累計販売台数800台超を納入してきた、同社を代表する製品。独自のロボット制御基板rapyuta.ioと組み合わせることで、複数台のAMR(自律走行搬送ロボット)同士が相互に通信し、倉庫作業者に適切なタスク処理と最短のピッキングルートを提案、歩行距離を大幅に削減する。ピッキングアシストロボット関連の国内市場で7割以上のシェアを持つ。

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ラピュタPA-AMRの活用イメージ

この度追加したフォーカスピッキングは、ピッキング量の多いエリアにラピュタPA-AMRと作業者を集中させることで、作業者の歩行距離を更に減らし、より効率的なピッキング作業を実現する。試験導入を行ったコンタクトレンズなどの通販や卸を手掛けるRise UPの物流センターでは、従来機能でピッキングした場合に比べて1時間当たりの推定歩行距離を36%減の858㍍に削減した。

重量検知機能は、上下段トレイに重量計測器であるロードセルを搭載することで、商品を棚からピックしトレイに設置したオリコンなどの通い箱に入れたタイミングで検品を実施する。入れ間違いが起こった際は、ラピュタPA-AMRのモニター上にアラートが即座に出るため検品もスムーズ。

「スキマバイトに代表されるように超短時間のみ現場に入る作業者も増えており、誰でもミスなく同じように作業ができるように現場環境を整えることが求められつつある。本機能によって、ピッキング作業の効率化だけでなく、検品作業の工程改善にも寄与していきたい」(同社担当者)

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フォーカスピッキング時におけるラピュタPA-AMR遷移の様子

同社はユーザーに対し、適切なタイミングで最新版のソフトウェアにアップデートできるようにしている。現場ニーズに応じたサポート体制を構築する。また、公表しているもの以外にも、ピッキング作業中に作業用具を置いておける大きなトレイのオプションなども用意する。






AutoStore、冷凍・冷蔵機能を追加

マイナス25℃から稼働可能に


AGVやAMRなど無人搬送台車はバッテリー駆動式のものが多い。そのため、それらを活用した自動倉庫で、マイナス15℃以下の冷凍帯に対応できるシステムは多くない。しかし、グリッド型の自動倉庫「AutoStore」を手掛けるAutoStoreは、今年から常温だけでなく冷凍(マイナス25℃まで対応)と冷蔵(6℃まで対応)のマルチ温度に対応したシステムの提供を始める。

倉庫内全体は冷蔵帯(2~4℃)で管理しながらも、冷凍品を管理する区画の上部に蓋のような機構を付けることで、1つのシステム上で冷凍品と冷蔵品をゾーン分けして保管できる。ピッキング作業は冷蔵ゾーンのポートで行うため、これまで冷凍品を扱う場合に発生していた過酷な環境下でのピッキング作業が必要なくなる。

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近年の冷凍食品需要の立ち上がりを見て、自動化ニーズ拡大に期待を寄せるAutoStore Systemの安高真之マネージングディレクター

「労働人口が減少する中、極寒エリアでのピッキングなど負荷の高い作業はより一層人材を見つけにくくなっている。冷凍食品市場は拡大しており、こうした自動倉庫もニーズは高いと見ている」(同社担当者)

消費電力を大幅に削減できることもメリットとして挙げる。部屋全体を冷凍帯の設定温度に下げる必要がないため、冷凍・冷蔵専用の倉庫と比べて最大で40%ほど消費電力量を抑えることができる。また、一般的な冷凍・冷蔵倉庫は導入コストが高いことに加えて、立上げから庫内全体を運用可能な温度まで冷やすのに3カ月かかるケースもある。その点、同システムは既存の倉庫に後付け設置も可能で、迅速に拠点を立ち上げることができる。ロボットは冷凍帯専用のものを用意する必要がないため、イニシャルコストやランニングコストを抑えることも可能だ。

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既にノルウェーでは活用が進んでいる

同社・CEOであるマッツ・ホブランド・ヴィクセ氏は、事業フェーズが「お客様により良いサービスを提供するため、イノベーションとエグゼキューションにフォーカスした定期的な製品発表に移行している」と述べ、新たなシステムについても「お客様が直面する課題に直接対応するものである」と明かす。






Exotec『ゲームチェンジャー』の次世代自動倉庫

入庫から出庫のほぼ全工程を1システムで


流線形の柔らかなデザインが特徴であったロボットも一新。長方形の角ばったデザインとすることで、ロボット同士がすれ違う際に必要な幅を短縮し、生産性や床面積当たりの効率を最大化する

ロボット自体がラック上部に駆け上がる仕組みは従来通りだが、ラックの1段目をロボット走行部とすることでラック間の通路をなくした

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流線形の柔らかなデザインが特徴であったロボットも一新。長方形の角ばったデザインとすることで、ロボット同士がすれ違う際に必要な幅を短縮し、生産性や床面積当たりの効率を最大化する

ユニクロやヨドバシカメラなど大手小売り企業がこぞって採用するのが仏・Exotecの自動倉庫「Skypod」システムだ。これまでも、大規模導入時の生産性が他のシステムよりも頭一つ抜けていると言われてきたが、2月、既存システムより処理能力を約50%向上し、設置面積を最大30%削減できるという次世代Skypodを発表、販売を始めた。

同社自ら「ゲームチェンジャー」と称する次世代システムは、入庫の直後から出庫の直前まで、1つのシステムで処理できる特徴を持つ。従来、自動倉庫の役割は保管とピッキングに留まることが多く、この工程が自動化されても梱包や仕分け作業に手間や時間がかかっていた。また、それらも一体で自動化しようとするとソーターや梱包機、バッファ用のコンベアなど、長大な設備・空間を用意する必要があった。

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ロボット自体がラック上部に駆け上がる仕組みは従来通りだが、ラックの1段目をロボット走行部とすることでラック間の通路をなくした

本システムには、在庫保管用のコンテナだけでなく、出荷用の箱だけや注文処理済みのコンテナも同一システム上で管理できる。出荷する商品のサイズや内容に合った出荷箱を最適なタイミングで取り出したり、注文処理が済んだコンテナを一時保管することも可能。パソコンのストレージのように、保管したものを必要な時に必要な物を取り出すことができるため、ユーザーは保管から出庫までの流れを1システムに任せることができる。

さらに、配送ルートや店舗の棚割りに基づく出庫順序の管理もでき、店舗間配送や工場向け物流の効率を大幅に向上させる。また、商品の重さやサイズなどに応じて、ピッキング自体を順序立てることもでき、出庫後の作業の効率化にも貢献するサプライチェーン全体の最適化を図ることが可能になる。

同社の日本法人・Exotec Nihon代表取締役アジアパシフィック地域社長の立脇竜氏は、「これまで物流はコストがかかる部門という捉え方がされてきたが、本システムによって物流を効率化し、物流からビジネスを伸ばしていく源泉にしていただく、物流のプロフィットセンター化を進めるお手伝いをしていきたい」と述べる。






山 善「ロジス大阪」最先端システムで庫内物流を自動化

プロジェクションマッピング活用


機械・工具商社「山善」は、「ロジス大阪」を1月6日より本格稼働している。物流の効率化と省人化を実現するため、最新の物流システムを導入。庫内物流の自動化を推進するために、自動倉庫やプロジェクションマッピング、AMR(自律走行搬送ロボット)などの従業員の成熟度を問わない最先端のシステムを導入。これにより、商品の保管から出荷までの一連のプロセスが効率化され、少ない人員でも作業が可能となる。また作業スピードと品質の向上を図っている。

物流システム・マテハン機器メーカー「ダイフク」のケース立体自動倉庫を採用。販売店ごとに注文された商品をまとめる「おまとめ配送」作業のシャトル自動倉庫として運用する。これにより五月雨式に受けた発注も、販売店ごとに「おまとめ」できる。出荷スペースを出た青のコンテナ内の商品を、シャトルから自動で運ばれてくる販売店ごとに分かれた緑のコンテナに入れ替る。自動でシャトルから運ばれてくるため、人為ミスを防ぎ作業の効率化を実現する。

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AMR機能を活用して倉庫内の地点間搬送を実施

次世代の自動搬送システムを開発する株式会社LexxPlussの「Lexx500」を採用。AGV(無人搬送車)と、AMR(自律走行搬送ロボット)の双方の特徴を併せ持ち、AMR機能を活用して倉庫内の地点間搬送を行う。ロジス大阪は庫内の横幅が約180㍍あり、地点間搬送に用いることで省人化を実現した。

ダイフクのケース立体自動倉庫を商品の入出庫に使用。コンテナを商品サイズに合わせて仕切り、約2万アイテムの格納が可能だ。ネジやドリルなど様々な商品が多いなか、自動で格納するコンテナが作業台に届くと、作業台上部に設置されたプロジェクターが光と音でコンテナ内の商品格納場所を知らせる「プロジェクションマッピングシステム」により、スピーディーかつヒューマンエラーのない作業を可能にした。

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AMR機能を活用して倉庫内の地点間搬送を実施

包装・梱包改善、物流ソリューション、コンシューマー事業などを提供するTANAXの「Just fit BOX」を採用。三角コーンなどの異形商品、規格外サイズの梱包における作業時間を短縮。計測器でサイズを計測し、商品サイズに合う段ボールが製造できる。

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段ボールケース自動製造システム


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清和ビジネス 首都圏営業本部 第一営業部 第二グループ 物流システムチーム リーダー 副参与 塚本 聡 氏




(日本物流新聞2025年2月10日号掲載)