メーカー横断で取り組む「運ぶ現場」の課題解決
- 投稿日時
- 2021/03/23 14:55
- 更新日時
- 2024/08/19 13:21
マテハンメーカートップ座談会
モノづくりの最適化、物流現場の人手不足などを解決する省力、省人化機器の代表格として、近年クローズアップされてきたマテハン機器。コロナ禍で需要こそ一息ついたものの、その需要は底堅く、今後も伸長し続けると目されている。そこで、マテハン機器メーカー3社にお集まりいただき、昨今のニーズから今後の展望、業界内での連携などについてオンラインで意見交換して頂いた。
各社の歴史とストロングポイント
―まずは自社紹介と、近況について教えてください。
田中(大有) おかげさまで当社は一昨年、創業70周年を迎えました。マテハンメーカーとしてはドラム缶のハンドリング機器が出発点になります。現在は「ドラムポーター」をはじめとするドラムハンドリング機器、「ポーターリフト」、「ロールリフター」といったリフター系機器、搬送系機器を取り扱っています。また、マテハン現場の多様化に伴い、お客様のニーズに合わせたオーダーメイド仕様の機器も数多く手掛けさせていただいております。
フィルム関係からのニーズが多い大有の「ロールリフター」
近年では光学系メーカー様や化学メーカー様をはじめ、食品、医薬メーカー様などからの受注も頂いております。直近では、工場内での荷揚げや材料の投入といったハンドリングニーズにお応えするケースが増加しています。
奥田(をくだ屋技研) 当社は1934年創業でもうすぐ90周年を迎えます。創業当初はエアーポンプを製造しておりましたが、1950年代からは油圧ジャッキの製造をスタートし、これがマテハン機器を扱うきっかけとなりました。 のちに円高を背景に油圧ジャッキが中国・台湾製品に押される中、自社技術を活用した電動、手動のハンドリフトを開発・販売し、本格的にマテハンメーカーとして歩みはじめました。2007年にグッドデザイン賞を頂いた「キャッチパレットトラック」などロングセラー製品も多く、ユーザー様に長年支えて頂いております。
1995年にマレーシア、2006年には中国に進出し、グローバル展開でものづくりを行っています。現在は生産現場から物流倉庫などのマテハン現場から、建築現場での重量物の搬送ニーズに加え、医療・介護の現場で人や医療機器を軽く楽に運ぶ、動かせる機器の開発も進めています。
をくだ屋技研のベストセラー「キャッチパレットトラック」
近藤(アムンゼン) 当社はをくだ屋さんや大有さんに比べるとまだまだ歴史の浅い会社です。主力商品の「イージーリフト」は、1台のバキュームモーターのみで吸着と持上げの作業を行えるマテハン装置で、かんたんな操作で重量物のスムーズなハンドリング作業を行えます。いまから30年以上前に、欧州の展示会でこの装置と出会ったことが、私の後の人生を変えました。以来、イージーリフトの販売を手がけ、約20年前に輸入発売元から営業権を購入しアムンゼンを設立しました。
おかげさまでイージーリフトはさまざまな「モノを運ぶ」現場に採用いただいており、昨今では窯業や衛生陶器メーカー様、食品メーカー様などからお仕事を頂いております。また近年はアルミ製の電動台車「イージームーブ」やフォークリフトと一体となって物流倉庫内を自在に移動できる「イージードライブ」などバッテリー式マテハン製品の開発・販売にも取り組んでおります。
アムンゼンの主力製品「イージーリフト」
■社名の由来には深い意味が
―各社様とも一風変わった社名ですが、由来をお教えください。
奥田 まさにいま頂いた質問のように、「お」ではなくて「を」であることによって皆さんに興味を持っていただける、ということで創業者が名づけました。また、展示会でも名簿の一番最後を見ていただければ、出展しているかどうか、どこにブースがあるのかもわかりやすい、というメリットもあります。
また自社ブランド「OPK」ですが、こちらは「独創技術がノウハウを生み出す」という英文の頭文字を取ったものです。お客様のあらゆるニーズに応えるためにも、技術力を高め開発を続けていく、という当社の姿勢でもあります。
田中 をくだ屋様の「OPK」に込められた想いは、ものづくりメーカーとしてぜひ見習わなければならない姿ですね。さて、当社の由来ですが、創業者の宮永進が信奉していた易経の「火天大有」から名づけられたと聞きます。「火天」には積極的に行動し、大きな改革に挑む好機であることを意味し、「大有」にはそれによって得られる大いなる充足を意味している、といいます。
ただ、年月を経て社名の捉え方も少し変わってきていて、最近では「大有」イコール「TIE YOU」と考えています。人と人の結びつき、会社同士の繋がりを大切にしていく企業でありたい、と思っています。
近藤 田中社長自身がそれを体現していますね。まさしく磁石のように人や仕事を引き付ける方ですから。さて、当社の「アムンゼン」ですが、人類で初めて南極点に到達したノルウェーの探検家、ロアルト・アムンゼンに由来します。私は幼少期をシカゴとニューヨークで過ごし、ボーイスカウトに所属していたのですが、そこでロアルト・アムンゼンの逸話を聞かされました。
極点に到達した際、記念写真を誰が撮るのか。後世に残る前人未到の偉業ですから誰もが写りたいと思うのですが、アムンゼンは自ら進んでシャッターを押す役を買って出たそうです。「リーダーは大きな義務を負う」という内容の話でしたが、これが強烈に印象に残っていまして、偉人の名前をお借りした次第です。
奥田 とてもロマンのある社名ですね。近藤社長のリーダーとしての並々ならぬ決意が伺えます。
コロナ禍が与えた各社への影響
―昨年からコロナ禍が続いていますが、社業においてはどのような変化がありましたか。
田中 当社はお客さまからの案件に対して、オーダーメイドで機器を納入させて頂くスタイルですから、実際に現場に入れない、綿密な打ち合わせが出来ないといったデメリットは大きく感じました。また、どうしても製造現場はテレワークというわけには行きませんから、感染対策は徹底して行うようにしました。
ただ、マイナスばかりではなく、逆にプラスもありました。コロナ禍だからといって、すべての業種が悪いわけではないですし、好調な分野からの案件を機械商社の皆様がいろいろと持ってきてくださいました。またコロナ禍を契機に自社ウェブサイトを拡充し、当社でできる様々なソリューションを事例ごとに掲載したところ、それを見たお客様からの引き合いがグンと増えました。
近藤 当社もコロナによる影響は小さかったと思います。これまであった受注がキャンセルされる、といったようなこともありませんした。ただ、セールス面では現場に行けない、打ち合わせができないなど、ひとつの案件にかかる時間が従来の倍になった印象があります。
近々、中国にある日系企業様への納入案件があるのですが、入出国だけで約1カ月かかってしまいます。普段は1週間で済む仕事と考えると5倍の手間です。
また、当社がお客様に提供するシステムの4割程度は海外からの調達に頼っています。ただ在庫をふんだんに持っていたので、結果的には在庫のボリュームが減っただけでお客様に迷惑をかけるということはありませんでしたね。
田中 不測の事態にも対応できるよう、事前にしっかりと準備されていたのですね。
近藤 いやいや、たまたま運良く助かっただけです。
もともと弊社は「即納」にこだわっていて、午前中のオーダーは当日中に出荷する取り組みを長く続けて参りましたので、在庫量はかなり豊富です。一般的にみると、規模の割に在庫は数倍も多い方だったと思います。
奥田 すごく羨ましいお話です。逆に当社は大きく影響を受けてしまいました。昨年2月には、まず中国工場がロックダウンし、続いて3月にはマレーシア工場が45日間の操業停止となりました。結果的に中国はすぐに持ち直し、大ダメージにはならなかったのですが、マレーシアはそうはいきませんでした。
マレーシアは、大規模な宗教行事によってクラスターが発生してしまう事例が数多くあって、一時は東南アジアで最も感染者数が多くなってしまいました。こういった背景もあって、なかなか操業再開できない状況が続きました。ただ、各拠点とも旧正月を前に多めに在庫を持っていましたので、調達面での影響は軽微なもので済み、お客様にご迷惑をお掛けせずに乗り切れました。
近藤 をくだ屋様こそ、先見の明があったようですね。
■展示会中止で対話の場が激減
―展示会などのPRの場もかなり減りましたが、その点はいかがでしょうか。
奥田 当社にとって、山善さんのどてらい市のような展示即売会の開催が無くなってしまったのは痛かったです。直接的なセールス面もそうですが、製品の売れ行きから掴めていた指標的なものが見えなくなってしまいました。
また、お客様が直接買いに来られることで生まれる出会いや、メーカー同士の交流、事務局との様々な情報共有などといったコミュニケーションの場が失われてしまったのが残念でした。
田中 奥田社長同様、やはりコミュニケーションの場が無くなったのは大きいですね。実際に会って話すことでニーズの深堀りも出来ますし、生きたコミュニケーションからしか生まれないビジネスもあります。また様々な分野の新しい方と会うことはこちらの刺激にもなりますし、そういった方々に当社営業マンの幅を拡げて貰っています。
近藤 この3月に行われた「TOKYO PACK」に出展させて頂きましたが、普段に比べてかなりさびしい印象でしたね。本当にお客様が少なかったですね。
展示会の参加メリットは奥田社長、田中社長と同様のことを感じているのですが、当社が出展するそもそもの理由は、お客様への「生存報告」です(笑)。「私たち元気ですよ」「アムンゼン頑張っていますよ」「できることが増えていますよ」と皆様へお知らせする意味合いで出ています。ですから、東京でのパック展やFOOMAといった展示会には出展するようにしています。
マテハン機器ニーズと導入事例
―各社における最近のマテハン機器の導入事例をお聞かせください。
近藤 当社は吸着搬送が得意技で、競争力の原点です。昨今、eコマースが伸長していますが、物流の領域は当社にとってはこれまで少し遠いところにあった市場でした。従来の物流倉庫はフォークリフトがパレットを運搬するなど、運ぶ単位がバルクでした。これが出荷や仕分けといったところまでくると、当社製品がはじめて機能します。
ここ最近は、保管はバルクでも小口の出荷ニーズが激増していることをはっきりと感じるようになりました。不定形かつ重量のある商品をハンドリングする作業が明らかに増えています。
田中 実際に最大手eコマースさんの物流倉庫からの引き合いも来たそうですね。
近藤 はい、そうなんです。ですが「これは盛り上がってきたな、これからいろいろやっていくぞ!」、というところでコロナ禍になってしまいました。以前は人手不足が叫ばれていた物流業界もいまは人が余っていて、投資しないと労働力が確保できないという状況では無くなっています。
ですから「人の数が足りない」だけではなく、「簡単に採用できない」、「採用してもすぐに辞めてしまう」、といった環境こそ、当社が狙っているフィールドです。
たとえば窯業ですと、重量30キロのガラスを割らないように運搬するには数人が必要です。これが当社のイージーリフトを導入した現場では一人で作業を完結できるようになっています。複数ラインに納入いただいたお客様からは製造効率が段違いに向上したと喜んで頂きました。
衛生陶器の製造現場もなかなか過酷な労働環境です。陶器を焼く炉の近辺は高温下の作業になりますし、そもそも陶器は重量もありますし、焼き上がりはかなりの高温になります。こうした現場の作業性向上に繋げる機器として、大手メーカー様に複数採用頂いています。
奥田 近藤社長が仰るように、労働安全がクローズアップされる現場からのニーズは増えていますね。当社にはHACCPや消防法などの法令への対応を製品に求められるケースもございます。
フォークリフトが使えない現場で重宝されるパワーリフター
先日は床の耐荷重の問題から、フォークリフトが入れない現場に当社の「パワーリフター」を導入して頂きました。フォークリフトで1㌧のパレットを運ぼうとすると、車体重量を含めて4㌧近い重量になってしまいます。「パワーリフター」はモデルによって差はありますが、重いものでも300㌔ほどの車体重量ですので、お客様の設備の耐荷重をクリアすることができました。
近藤 「パワーリフター」は動画でも拝見しましたが、フォーク並みの運搬能力を誰でも簡単に扱えるのは魅力的ですよね。女性やベテランの働き手でも使いやすいと思います。をくだ屋さんの製品は手動式からバッテリータイプ、エア昇降タイプなど多彩なラインナップを展開されていますから、色々な現場にすぐフィットしそうですよね。
奥田 それでもお客様によっては特殊な環境、特殊な治具を付けないと対応できないものも多いんです。そうしたニーズにもしっかりとお応えするようにしています。自動がいいのか、半自動がいいのか、納期やコスト、安全性などあらゆる面を加味して提案するようにしています。もっとも、こういったあたりの「オーダーメイドのマテハン提案」は大有様が最も得意にされている部分だと思います。
田中 ユーザーニーズに柔軟に応えていこう、となるとどうしても一品一葉のものをお納めすることが多くなってしまいます。最近の事例ですと、水産加工メーカーさんへ機器導入を行いました。
こちらはちくわや蒲鉾といった練り物を製造していらっしゃるのですが、これまでは魚介のすり身がたくさん入った重いプラボックスを、ステップに持って上がって中身を投入しなければならず、作業負担に加え危険も伴う作業になっていました。この作業環境を改善するために当社でハンディフォークリフトに専用の投入装置を付けた「すり身投入装置」を開発し、納入させていただきました。これにより、すり身投入にかかる時間は従来の3分の2に短縮され、作業時の安全確保も実現しました。
奥田 大有様の改善事例のように、製造工程そのものは自動化されていても、原材料の投入や製品の取り出しは手作業で行っているという現場もまだまだ少なくありません。こうした市場ニーズを着実に捉えていかなければなりませんね。
田中 コロナ禍をきっかけに会社そのものを変えていかなければ、という危機感を抱いている企業も増えているように感じます。働き方改革やダイバーシティを意識しつつ、抜本的にモノづくりを変えていこうと。
マテハン機器は製造ラインの中心ではありませんが、無くてはならないものです。投資額もコア機械に比べれば小さいものですが、ちょっとした機械を導入するだけで安全面や作業効率を劇的に変えられる。そこがマテハン機器の凄みだと思います。
■複数メーカーで繋がる重要性とは
―本日ご出席の3社間では、実際に協業するケースも少なからずある、と聞きます。
田中 昔、をくだ屋様のOBから「いいとこどりしようや」と言われたのが当社の根底にはあります。今日集まった3社は「モノを運ぶ」ことにおいては、ある意味ライバル関係でもあります。
しかし、をくだ屋様ならモノを乗せて運搬する機器に強みがあります。アムンゼン様には吊り下げ式の搬送機器に強みが、当社には反転や投入をはじめとしたオーダーメイドの機器に強みがあります。こうした各社のストロングポイントを持ち寄ったほうがいい現場というのが必ずあります。
奥田 お客様のベストがマテハンメーカーにとってのベストでは必ずしもありませんが、ユーザーに対して最良の提案を続けていくことがいちばん大事なことなのではないかと思っています。お客様にベストを尽くし続けることが、いずれメーカーに返ってきますから。
田中社長も近藤社長も同じ考えでビジネスをしていらっしゃるからこそ、協業というカタチに繋がっているのではないかと思います。
近藤 マテハン各社の協業は、古くからお付き合いがあるをくだ屋様と大有様のように、基本的に横のつながりが実際の仕事に繋がるケースが多いと思います。当社も大有様のように仲良くして頂いているメーカー様との案件がとても多いです。品質や提案力、技術力においてお互いをリスペクトするファンだと思っています。こうしたメーカーの横の繋がりだけではなく、多くのメーカーが集まってビジネス提案できるようなプラットフォームがあるといいですよね。
田中 さまざまな業界団体がありますが、マテハン業界には各社が協力しあって直接のビジネスに繋がるような仕組みがないですよね。モノ売りからコト売りにシフトしているいまだからこそ、ユーザーに取ってベストな各社の「いいとこどり」を組み合わせたソリューション提案ができる仕組みが欲しいですよね。
奥田 ユーザー、メーカーともにしっかりとメリットが感じられて、誰もが気軽に参加できるような敷居の低いものだとなお良いですね。
協業で見えたお互いの「強み」
―協業なさっていく上で、お互いに意識される部分はありますでしょうか。
田中 顧客の満足を最優先とするアドボカシーマーケティングを実践していくには、単にモノづくりだけではなく、商社的な機能や高度なエンジニアリング機能も必要とされます。ですので、協業各社様の強みを理解するという点がとても重要だと考えています。
イージーリフトは様々な現場にあわせたアタッチメントも豊富に用意している
最近は粉体のハンドリングニーズも増えているのですが、特に袋状の粉体運搬でまず思い浮かぶのがアムンゼン様のイージーリフトです。運ぶだけではなく、操作性の高さや安定感、安全性、アタッチメントの豊富さと、右に出る機器はないと思います。アムンゼン社員の皆様が見積もりから据付まで迅速に対応してくれるのも魅力です。
奥田 中身が固化してしまった粉袋を、アムンゼンさんのイージーリフトで大有さんの粉体ブレーカに運んで解きほぐし、別工程への運搬を当社の台車が担う。こういった図式を現場に入ってすぐに想像できるかがポイントですよね。
近藤 自社の製品だけではカバーできない領域をお互いに補っていくことで、さまざまなビジネスへと繋がっていきますし、自社の引き出しも増えますよね。
田中 をくだ屋様には当社のリフター系機器の昇降用油圧シリンダーを長年に渡って供給していただいておりますが、故障やクレームがまずないんですよ。これはをくだ屋様が積み重ねてきたコア技術があってこそだと感じています。また、奥田社長が現職に就かれてからはトータルブランディングを実践なさっていて、デザイン性にも優れた製品が増えましたね。なにせ「OPK製品のファン」と公言する商社さんもいらっしゃるくらいですから。ちょっと嫉妬しちゃいますね(笑)。
近藤 をくだ屋様の製品は本当にファンが多いですね。当社の工場でも先日、パレットトラックが一台必要になりまして、現場の人間に商品の選定をまかせっきりにしていたのですが、後日導入されたものを見てみたら「OPK」のロゴが刻まれていました(笑)。マテハン製造現場の人間が信頼して使えるクオリティ、それがをくだ屋様の製品だと思います。
奥田 当社製品をお買い求めいただき、また過分に評価して頂いて恐縮です(笑)。田中社長とはもう長いお付き合いになるのですが、一緒に仕事を進めていく中でいつも感心しているのが、お客様の現場と工程を驚くほどよく見ている。これは大有営業マンの皆様にも共通して言えることです。だからこそ、お客様の困りごとをしっかりと理解した上でソリューション提供できているのではないでしょうか。
近藤 大有様は社是「すべてはユーザーのために」をまさしく実践されていますよね。田中社長のマインドは営業マンのみならず、モノづくり現場にも反映されていると感じています。現場で得た気づきをしっかりと製品に反映し、妥協しないモノづくりをされています。
大有は現場に即したオーダーメイド品を製造している(写真はタンブルリフト)
田中 ありがとうございます。ここまで褒めて頂けるとさすがに照れますね(笑)。コロナ禍が落ち着いたら、ぜひリアルでお会いしてご馳走させてください。
奥田、近藤 こちらこそぜひよろしくお願いします!
■マテハンを通じ社会貢献を
―最後に皆様から今後の展望をお聞かせいただけますでしょうか。
近藤 コロナ禍で大変な時期ではありますが、いずれ時間が経てば「コロナ時代」と呼ばれるようになると思います。物流業界をはじめ、マテハン機器に対する投資意欲はコロナの影響で一時的に縮小しましたが、感染拡大が終息すれば、急激に需要が高まると見ています。
その時に向けて、きちんと備えることが当社の役割と考えています。
いまやマテハンは社会インフラとしても認知されつつあり、その重要性はかつてないほど高まっています。過酷な労働環境下から作業者の負担を軽減し、笑顔で余暇を過ごせるような環境整備を続けていきたいです。
田中 私共マテハンメーカーは、お客様の困りごとを解決できるノウハウを持っています。従来のように対面することすら難しくなっている昨今ではありますが、これからもお客様や他メーカー様、商社様などとしっかりとコミュニケーションを取りながら、正しいソリューションを提案して行きたいです。
コロナ禍で大変な会社もあるでしょうし、モノづくりを改革しようとする企業もあるでしょうが、どのような現場でもマテハンはお役に立つことが出来ます。今後は「点」だけではなくマテハンとマテハンを繋ぐ「線」の部分の提案にも注力していきたいです。
奥田 当社に出来る役割を継続することが今後も重要だと考えています。ふとコロナ禍が無かったら、何が社会課題としてクローズアップされていたかを考えてみましたが、やはりそこには生産性の向上や自動化、さらにはQOL(クオリティオブライフ)の向上といった点が上がってきます。
こうした課題に真摯に向き合い、課題解決に執着し続けていくのが当社の使命だと考えております。田中社長も仰っていましたが、コミュニケーションを大切にしながら、マテハン業界の一員として社会に貢献できる企業にしていきたいです。