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インタビュー

【TAFLINK】藤本工業 代表取締役社長 藤本 武洋 氏/アラキエンジニアリング 代表取締役 荒木 弥 氏/藤本工業 技術本部 本部長 松井 敦仁 氏

投稿日時
2025/11/25 13:16
更新日時
2025/11/25 13:22

TAFLINK、導入から運用まで手厚くカバー
現場目線の「バリ取り自動化」

加工現場の人手不足が深刻化する中、静岡県浜松市を拠点とするバリ取り特自動化を得意とするロボットSIer「TAFLINK(タフリンク)」が存在感を増している。東洋鐵工所、アラキエンジニアリング、藤本工業の3社がタッグを組み、バリ取りや研磨など「仕上げ工程の自動化」に挑む異色のチームだ。それぞれが本業を持つメーカーでありながら、ロボット、専用機開発、請負加工の知見を共有し、顧客に合わせた最適な提案を行っている。

写真左から藤本武洋代表、荒木弥代表、松井敦仁部長

――昨今のバリ取りや研磨におけるトレンドをお聞かせください。

荒木(=弥氏・アラキエンジニアリング代表) この1年ほどで、TAFLINKへの相談件数が従来の3倍に増えています。背景にあるのは研磨・バリ取り業者の減少です。外注先がなくなってしまい、ロボットでの内製化を検討する企業も増え始めています。

特に、外観部品やメッキ前処理のように「職人のスキル」が求められる仕事が出来る人材が急減しています。それゆえ、最近は木工や趣味用品、建材など、金属以外の分野からの相談も増えています。素材を問わず「磨く」「仕上げる」という工程に課題を抱えている現場は少なくありません。

――バリ取り専業メーカーである藤本工業さんの現況は。

藤本(=武洋氏・藤本工業代表) 輸送機器関連の受注が戻りつつあります。特に東北地方のメーカーからの新規案件があり、少しずつ手応えを感じています。ただ、自動車業界全体の先行きが不透明な中で、仕事の波は大きい。ですから、人を増やすより「ロボットを休ませる方が、リスクが低い」という考え方をしています。

ロボットは働き続けても文句を言わないですし、導入コストはかかりますが、人員調整の難しさを考えれば、むしろ安定的に運用できます。

――バリ取りロボット「バリトリガー」のセールスも好調と聞きます。

荒木 引き合いだけに留まらず、実際に導入して頂くケースも増加しています。設立以来、TAFLINKは「3社の知見活用でロボットを用いて、バリ取りを楽しく明るく」といった感じのゆるやかな組織でした。しかし、今年からは明確な目標を立てました。売上管理や進捗の「見える化」を進め、メンバー全員が数字を共有しています。すでに年初目標の7割を達成していますが、目標を立てた効果が如実に現れていると感じています。

――本業もある中、3社で連携する難しさはありませんか。

藤本 難しさよりメリットのほうを大きく感じています。東洋鐵工所さんが出展した展示会をきっかけに樹脂や木材の仕上げ加工自動化の話に繋がったり、アラキエンジニアリングさんが加盟している(一社)DSC協会(バリ取り・表面仕上げ・洗浄協会)からフィードバックを得たりと、個社ではカバー出来ない部分がビジネスに繋がっています。もちろん、3社それぞれが個性を持っていますから、意見がぶつかることもあります。でも、私たちの目標は「世界ナンバーワンのバリ取り問題解決チーム」。目指す方向が明確だから、前向きな議論になります。

■充実のサポート体制

――昨今、各社からバリ取り専用機が続々と上市されています。どう差別化を。

松井(=敦仁氏・藤本工業技術本部本部長) TAFLINKはロボットをバリ取りの現場で活用する上で最適な運用方法を熟知しています。変種変量生産が当たり前となりつつある加工現場において「ワークが変わったから使えない」「ヒトが辞めたから使えない」では導入する意味がありません。

他社との明らかな違いは「売って終わり」ではなく、現場で「使いこなせる」ようになるまでをサポートする体制が整っている点です。機械本体の使いやすい仕様化は東洋鐵工所が、ティーチングや保守点検、トラブルシューティングはアラキエンジニアリングが、バリ取りのノウハウは藤本工業が、というカタチで導入後までしっかりとお客様に寄り添っていきます。

――ともすれば長期間のビジネスになってしまう懸念はありませんか。

松井 私たちはメーカーでありユーザーでもある立場です。現場が求めているのは「面倒見のよいSIer」ですし、導入して頂いたところは皆さん「バリ友」だと思ってお付き合いさせて頂いております。バリトリガーをどのように使えば効果を最大限に発揮できるか、先を見据えた運用まで一緒に考えるのが私たちの仕事です。もちろん再ティーチングや追加サポートも行いますし、困った時はすぐ呼んでいただける関係づくりを心掛けています。

――国際ロボット展にはTAFLINKとして単独出展されます。

荒木 これまでは他社ブースの一角や、協力というカタチでの出展でしたが、今回は静岡県ブース内に「TAFLINK」として正式出展します。展示するのは、協働ロボットを使った研磨システム。ベルトサンダーにワークを自動で押し当て、人とロボットが協働して仕上げるデモンストレーションを行います。関東には研磨・バリ取りに特化したSIerが少ないので、少しでも爪痕を残したいですね。

TAFLINK2.jpg

国際ロボット展にはワーク研磨システムを出展。写真は産ロボだが当日は協働ロボを搭載して出展する




TAFLINK

2020年結成、3社9人

静岡県浜松市中央区大瀬町460(東洋鐵工所内)

年間15~20のバリ取りロボットシステムを納入

浜松市内で工作機械や専用機の製造を手掛ける東洋鐵工所、ロボット教育、運用のコンサルティングを行うアラキエンジニアリング、バリ取りと仕上げ加工に特化した藤本工業の3社が立ち上げた「バリ取り特化型ロボットSIer」。近年では産学連携でのバリ取り研究、研磨材メーカーなどと協業しバリ取り作業における問題解決に挑んでいる。



(日本物流新聞2025年11月25日号掲載)