インタビュー
RealmanRobotics 日本法人 易 峰(イホウ)代表
- 投稿日時
- 2025/04/01 09:00
- 更新日時
- 2025/04/01 09:00
人型ロボット普及のカギ握るティーチレスとビッグデータ
ヒューマノイド(人型ロボット)の普及が加速している。国際市場研究機関ストラティスティックスMRCは、人型ロボット市場は2021年の15億ドルから2028年には264億ドルに拡大すると予測している。現在、アメリカと共に人型ロボット開発のトップ集団に位置しているのが中国メーカー。なかでも高い内製力で市場を牽引すると目されているのがリアルマンロボティクスだ。グローバルでヒューマノイド普及を目指す同社日本法人の易峰代表に今後の展望を聞いた。

――ラスベガスでのCESをはじめ、世界各地の展示会に出展されています。来訪者の反応はいかがですか。
「アメリカはテスラをはじめ、人型ロボット開発が盛んですから訪れる方もそこまで大きなリアクションはありませんが、欧州やアジア圏での展示会ですと、当社のロボットに大きな関心を示してくれます。すでにスペイン、ドイツでの販売が決まるなど、順調なスタートを切れています」
――どのような現場で活用されているのでしょうか。
「いわゆる産業用ロボットとは違う、サービスロボットの分野になりますので、ヒトの代わりにコーヒーを入れる、衣類を畳むなどといった家事的なタスクから、マッサージや介護など様々な分野で活用されています」
――ロボットに家事や介護といった複雑な動きをさせられるのでしょうか。
「ディープラーニングなど、昨今のAI技術の進歩により、かなり高い精度でロボットに様々な動きや会話を行わせることが可能になってきました。例えば、衣類を畳む動作でしたら、様々な形や配置をディープラーニングで覚えさせ、それフィードバックすることで最適な動作でロボットが衣類を畳めるようになります」
RealmanRoboticsの製品群。人型のみならず様々な形のロボットを提案している
――現場に合わせたティーチングは必要ないのでしょうか
「当社ではお客様がどのような場所でロボットを使い、どのような動きを望まれているのかとあらかじめヒアリングします。それに基づいたプログラムを組み込んだロボットをお届けしますので、産業用ロボットのようなティーチングは基本的に必要ありません。今後、ヒューマノイド市場が拡大するにあたって、ティーチレスは重要なポイントになります」
■クルマ並みに普及する時代へ
――人の代わりとして求められるタスクは多岐に渡ります。
「当社ではすでに人が行う様々な動作がビッグデータ化されており、現在もデータを多角的に収集しています。ヒューマノイドの普及が進んでいく中で、メーカーはロボットというハードを販売するだけのビジネスではなく、ロボットに何をさせられるかというソフトを販売するビジネスも並行して進めていく形になっていくのではないでしょうか」
――一般に普及するまでにどれくらいかかると見ていますか。
「中国の工業情報化省は『ヒューマノイドはコンピューター、スマートフォン、新エネルギー車に続く破壊的な製品になり、人類の生産スタイルと生活スタイルを大きく変える』としています。2026年の中国におけるヒューマノイドの市場規模は100億元を超え、2030年は1000億元市場へ成長すると見ています。いまはまだ企業向けの価格帯となっていますが、かつて高価だったEVがどんどん手の届く価格になっていったように、ヒューマノイドも一般家庭がクルマを買うような感覚で入手できるようになるのは、そう遠い未来ではないと考えています」
――中国には貴社のライバルとなるメーカーが多数存在しています。
「当社はロボットメーカーでありながら、減速機メーカーでもあります。特に小型、軽量の波動歯車減速機はすでに日本のメーカーにも多数採用頂いている実績もあります。また、ロボットの全てのパーツを自社及び自社グループ会社から調達しています。他のヒューマノイドロボットのメーカーを見渡しても、キーパーツまで内製しているところはどこにもありません。自社で開発、調達、製造をワンストップで行えるので、性能面の向上やコスト面で大きな優位性があると考えています」
――人型ロボットの普及は産業用ロボットにも大きな影響を与えそうですね。
「スカラロボットや多関節ロボットは、ヒトの動きよりはるかに早く作業をこなせますので、大量生産の現場などでは依然として産業用ロボットが強みを発揮していくでしょう。一方で、ヒトがいなければ成り立たなかった作業や現場は、今後ヒューマノイドに置き換わっていく可能性は十分にあると考えています。ですのでBtoBからBtoCに至るまで、ヒューノイド市場は今後ますます成長していくと考えています」
「超軽量ロボット」の販売も
リアルマンロボティクスでは多関節協働ロボットも上市しており、こちらのセールスも順調と言うが、その強みは「超軽量」にある。5kg可搬の6軸協働ロボット「RM-65B」の本体重量はわずか7.2kgと一般的な協働ロボットの半分以下。その軽さを実現しているのが、小型減速機をはじめとする自社開発のパーツだ。「AMRや機械に直接取り付けて活用するユーザーが多い」(易峰氏)。
軽量の6軸ロボット「RM-65B」
(日本物流新聞2025年3月25日号掲載)