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インタビュー

川崎重工業 ソリューション営業部長 澤田 純一 氏 
ロボの周辺技術パッケージ化

投稿日時
2026/03/31 10:09
更新日時
2026/03/31 10:13

物流向けパレ/デパレ強化

川崎重工業は船舶・鉄道車両・航空機・モーターサイクル・産業プラント・ロボットなどの事業を展開する総合エンジニアリングメーカーだ。国内外100以上の関連企業と技術企業集団を形成する。ロボットについては日本が出遅れているとされるヒューマノイドや4脚ロボット(2035年にリリース)を開発した。

――貴社は昨年末の国際ロボット展でヒューマノイドロボットや4脚ロボットを披露されました。

「国際ロボット展に限らず、我々は2015年からヒューマノイドロボットの開発に取り組んできました。そのアプリケーションにどんな可能性があるのか、どのマーケットにどんな課題があるのか、どのようにして社会課題を解決していけるのかをお客様とコミュニケーションを取りながら、手探りではありますが進めています。一般販売開始や社会実装についてはもう少し先になろうかと思います」

――4脚ロボットについても同様ですか。

「国際ロボット展で当社の橋本康彦社長が発表したとおり2035年にリリースをするという前提条件で動いています。ヒューマノイドについては産業用ロボットメーカーが取り扱うからには、壊れない、壊れてもすぐに保守サービスができることが必要です。そもそもこれらのロボットの開発は、震災などがあった時にロボットメーカーとして社会にどんな価値を提供できるのか、がスタートです。今、海外メーカーさんが取り扱うものはフィジカル的に非常に素早く動いたりします。我々は重いものを持ったり災害現場で活躍できたりすることにフォーカスしています」

■産ロボメーカーとして社会に貢献

――ロボットを普及させるにはティーチングのしやすさ、食品製造や切削加工など未導入産業領域への対応、フロントローディングの一層の強化などが必要になりそうです。貴社の戦略は。

「ご指摘の通りです。これまでのティーチングの延長でなく、導入しやすく使いこなしやすい、といったことをこれまで以上に高めていくことが重要です。ティーチングは専門的なプログラムの知識が前提ですが、これを極論を言えば、携帯電話を使うときにマニュアルを読まないですよね。そのような操作性が必要です」

――直感的な操作について貴社ならではのものはありますか。

「当社はロボットをパッケージングしてソリューションとして提供することに力を入れています。つまりロボットの周辺装置、センシングの技術、AGVとの連携など特定のアプリケーションを作ってそれをパッケージ商品として提供しています。お客様が何をしたいのかにフォーカスしたものです」

――事例をあげていただけますか。

「物流現場向けに我々はデバンニングロボット『Vambo』を販売しています。これは当社のロボットだけではソリューションとして成立しません。ロボットがケースを3次元的に認識した時にどう移動するか、どのケースが取りやすいかあるいは2個取りできるか、移動ユニットのAGVとどう連携するか。これらはそれぞれ異なる技術になりAIも必要ですが、それを我々が一つの装置としてまとめたので、導入されるお客様はプログラムのことを考える必要がありません。保守サービスについてもパッケージとして当社が対応します」

「このほかに遠隔操作のロボットシステム『Successor(サクセサー)』の開発も進めています。これについてもロボットメーカーとしてどのようにして社会貢献ができるかを考えたものです。将来、家から離れたところにあるロボットを動かすことができるかもしれません。働き方改革に対応したり、障害のある方や引きこもりの方が社会の中で活躍できたりすることを提供できればと考えます」

――いま最も売り込みたい製品は。

「パッケージ商品として物流業界向けの混載のデパレタイズソリューション、混載のパレタイズソリューション、それと先ほどの『Vambo』の3つがあります」

――パレ・デパレタイズのロボットは他社製を含めて数多くあります。違いは打ち出されていますか。

「まずロバストであること。適用できるハンドの種類が多く、安定的な動きにつながります。対象がケースの場合、上面吸着のほか上から取りにくければL字ハンド、横から取って下支えができるハンドなども用意しています。搬送の能力、スピードは他社さんと比較しても高い水準にあります」

――有望と捉えるマーケット、売れ行き好調な製品はありますか。

「半導体マーケットの拡大に伴い、クリーンロボットの売行きがすごく好調です。一方、人手不足がとりわけ顕著な物流分野で自動化がむずかしかった領域が、このところのAI技術の進化と我々のパッケージングによって、お客様の導入意欲が高まりつつあると感じています。これからが楽しみです」

17面リレーインタビュー・川崎重工業P2.jpg

混載のデパレタイズソリューション




AIビジョンは自社製


川重が自社製のAIビジョンにこだわるのは、パッケージ商品として同社が責任をもってワンストップで保守できるようにするためだ。顧客が装置を使っていて何かトラブルが起きた時にビジョンが悪いのか、他のセンシングが悪いのか、ロボットに不具合があるのか、全体のシステムに問題があるのかを把握するのは難しい。「自社製にこだわることで不具合が生じた時に、まるっと我々の方で保守サービスができます」