1. トップページ
  2. インタビュー
  3. 北川鉄工所 上席執行役員 松葉 範仁氏 自動化・ソリューション提案強化

インタビュー

北川鉄工所 上席執行役員 松葉 範仁氏 
自動化・ソリューション提案強化

投稿日時
2026/03/30 16:48
更新日時
2026/03/30 16:57

インド工場は月産台数3倍目指す

北川鉄工所を代表する旋盤用パワーチャックやNC円テーブル、ロボットハンドを手がけるキタガワ グローバル ハン
ド カンパニー(工作機器事業)。国内外に生産・販売拠点を持ち、旋盤用チャックでは国内過半のシェアを確立している。

グローバルな需要への対応と共に、豊富な製品バリエーションと「掴む」コア技術を掛け合わせたソリューション提案で、顧客の課題解決まで活動領域を拡大する。

——最近の景況感は。

「あまり良くはないです。特に内需は牽引する自動車産業の厳しさに引っ張られています。ただ、EV失速で内燃機関やHVが再注目され、抑えていた設備投資もそろそろ動き始めるタイミングではあります」

「とはいえ、日工会からは1兆7000億円と26年の見込みが出ていますが、これは単価の高い複合加工機やMCの増加の流れで、当社製品がメインとするNC旋盤が増えるのではありません。景気の波と連動しない部分もあります」

——今後増える自動化に力を入れていかれる。

「旋盤のチャック周りの自動化はデリケートで難しい。チャックで培った『掴む・把握する』という強みを活かしたソリューションビジネスに、業態の転換を図っていきます。例えば高剛性で高把握精度の標準チャック『BRシリーズ』とジョーの取付け再現精度を維持する『Tnut—Plus』は自動化に寄与し、加工品質を安定させ省力化にも繋がります。特殊品ではないので段階的な導入も可能で、イニシャルコストが抑えられます。スタンダードでカスタマイズできる提案が顧客に一番フィットする『WORKHOLDING SOLUTIONS』というビジネスコンセプトのもと、脆性材のグラインディングセンタ用NC円テーブルなど多様な製品をソリューション提供していきたいです」

——ユーザーとの距離感を縮めると。

「このチャックはどこで使われるのか、エンドユーザーは誰なのか。現場のことが分からなければ製品開発にも反映されません。ユーザーにとって価値ある提案をしたい。営業面でもプレゼン能力を上げたいですね。これまでの業界にないぐらいの営業をやってほしい」

——新しい風を。

ワークホールディング・ソリューションズを体現するために、昨年、名古屋に自動化ソリューション室も作りました。チャックやNC円テーブルを売るだけではなく、サポート治具までカバーし、お客様の課題解決まで視野を広げた自動化提案をする組織です」

「海外各地に拠点があるのが当社。高い技術を持っていても、海外展開に敷居の高さを感じるお客様は多いですから我々と一緒にやりませんか、とお声がけしたいです。時差や言語の壁がありますが、現地に安定した拠点を持つ当社ならワンストップで請け負えます」

■自社工場がユーザー、証明する品質

「一昨年まで子会社のメキシコ工場(KITAGAWA MEXICO,S.DE C.V.)の社長を務めておりました。メキシコ工場は金属素形材事業として月産2200㌧、従業員500人ほどの規模感で自動車部品の鋳造、加工を行っており、生産ラインに工作機器事業の製品を採用しました。大規模な自動化ラインでは産業用ロボット専用グリッパを24時間稼働させており、耐久性、品質は確認済み。フィードバックを通して、ユーザー視点での課題を知っていることがお客様にとっての信頼感にも繋がります」

「また、メキシコ工場でもワークホールディング製品を扱う工作機器部門を設立。プロモーションするエリアを作り、現地サービスを強化していく中で、チャックの分解や切粉の除去、グリスアップなどのメンテナンスサポートやメンテスクールなどローカルに根差したサポート体制を構築。日本はもちろん、グローバルでサービス体制を充実させていきたいです」  

——新本社工場「FACTORY1」を昨年1月から稼働されました。

「本社リニューアルのファーストフェーズを終え、年末から『FACTORY1』ではBRチャックやロボットハンドなどの生産を開始しました。さらに改良やバージョンアップを工程ごとに進め、自動化率を高めていきたいですね」

——インドに、チャックの製造工場を作られています。

「今年の1月から本格稼働をスタート。現在の月産台数から3倍まで増やすことを目標としています。ローカルの機械メーカーに出荷しています。価格競争は厳しいですがローカル調達比率を高め、標準品生産で価格競争力をつけていきます。NC円テーブルや他のデザインチャック、エンジニアリングやサービスも増やしていきたい。インドはもちろん、アメリカや中国、欧州や東南アジアなどいろんな地域に力を入れていきたいです」

KGh_次世代標準パワーチャックBR.jpg

次世代標準パワーチャック「BRシリーズ」。新たなビジネスコンセプト「WORKHOLDING SOLUTIONS」を象徴するロゴには革新的で柔らかなイメージを持たせた




海外の経験は国内でも活きる


グローバルに生産・営業拠点を展開してきたkitagawaのモノづくり。イギリスにある欧州会社のヘッドオフィスには駐在社員として若手人材を登用し、国内の営業担当者も積極的に海外出張の機会を持たせ、国内外のセグメントの垣根を取っ払う。英語教育もサポートし、「国内のお客様にとっても海外事情は知りたい情報。国内を伸ばすためには海外を知ることも大切」と松葉社長は説く。