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インタビュー

オリオン機械 片桐 智美 社長

投稿日時
2025/08/07 11:15
更新日時
2025/08/07 16:50

精密空調機でシェア拡大へ

産業機械や酪農機械を手掛けるオリオン機械は、6月30日付で新社長に就任した片桐智美氏がマスコミ向け共同インタビューに応じた。

同社の2025年3月期連結決算は売上高が前期比6%減の598億円、純利益は38%増の70億円だった。電力価格の高騰などを背景に、主力の産業用チラーや精密空調機が売上を牽引した。これら好調な業績の中で、初の創業家以外の社長となった片桐氏は、営業職を経て研究開発部門に携わってきた経歴を持つ。

これからの舵取りについては、半導体、電池、水素活用の分野においてのシェア拡大を目指すという。なかでも期待を寄せるのが精密空調機だ。

「半導体分野で使われる精密空調機にはより高度な温度管理が求められる。現在は0.05℃単位での温度調整が可能だが、ゆくゆくは0.005℃単位での温度調整を可能にしていく。加えて他社メーカーに比べ3~5割の省電力化を目指す」

電池産業で使用されるドライルーム向け湿度管理空調機についても、内部に組み込む電気ヒーターをヒートポンプにし、省電力化を実現。「ランニングコストに優れた新製品を今年度から供給したい」と語った。

また海外市場の開拓にも意欲的で、「北米とインドを中心に、日本からの輸出を含めた海外での売り上げを現在の約80億円から2~3年以内に100億円に伸ばしたい」と目標を掲げた。続けて「空調機器は中国メーカーの技術向上も著しいが、競合の少ない精密空調機なら勝負できる」と力を込めた。

(日本物流新聞2025年8月10日号掲載)