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インタビュー

育良精機 工具事業部 副事業部長 兼 営業部長 廣澤 道夫 氏

投稿日時
2024/12/11 13:28
更新日時
2024/12/11 17:43

電線敷設向け省力化機器が好調

育良精機の電設工事向け省力化機器が好調だ。それと併せるように同社は電設工具製品の拡充を進めている。好調である背景と新製品について同社・工具事業部副事業部長兼営業部長の廣澤道夫氏に聞いた。

特高ケーブル対応で建物内外をカバー

――電気工事向けの製品が好調のようですね。

「当社の工具事業部は、ライトボーラーやパンチャー、溶接機など建築向け商材と電気工事向けの省力化機器を主に扱っています。現在は電気工事向けの機器で動きが活発です」

――背景は。

「電設業界も漏れなく人手不足です。電線を敷設する際、これまでは仲間の業者の応援を借りて、大人数で引っ張っていましたが、最近は仲間の業者も職人が足りておらず、人を集められない状況が出てきています。そうした現場で当社の人手を補う省力化機器を活用いただくケースが増えています」

――特にパワーボール関連の製品が求められています。

「ケーブル中間送り機『パワーボール』は敷設距離やアップダウン、コーナーなど現場の状況に合わせて、複数台を組みあわせることで、今まで大人数で作業していたケーブルの敷設を、少人数でも引けるようにする製品。人手不足解消だけでなく、機械化によって一定の力で引っ張ることができるため、ケーブルへのダメージを低減し敷設品質の安定化にもつながります」

――特別高圧ケーブルへの対応製品を相次いでリリースしました。

「今年、ケーブル径160㍉まで対応した『パワーボールISK︱PB500』や最大通過物径150㍉対応のローラー『四面コロISK︱EH150』などを新たにラインナップに加えました。従来品は径100㍉程度まで対応の建物内向け製品でしたので、建物外や発電所で使用される太いケーブル敷設には対応しきれていませんでした。この度、特別高圧ケーブルなどの敷設にも対応できる製品を出したことで、建物の中から外までトータルでサポートできる体制を整えつつあります」

――全領域に対応できるということですね。

「特別高圧ケーブルにも様々サイズがあるため、まだ対応できていない領域もあります。一方で、径120㍉ほどがボリュームゾーンになるため、ほとんどの現場に対応できる体制は整いつつあると思います」

――他社との違いは。

「当社はパワーボールやコロだけでなく、ケーブル敷設工事で必要となるジャッキやウィンチなど一連の製品すべてを扱っています。全工程を当社製品で揃えることができることを強みに、依頼をいただければ現場に合ったパワーボールの数やコロの設置場所などをアドバイスすることも可能です」

「また、メンテナンスや現場でのトラブル対応を全国規模でやっていることや、電設機器以外の製品も作っている関係から生産体制が充実しており、必要な時に必要な物を届けられる、そうしたサポート面もお客様は見てくださっているのではないかと思います」

――今後の展開について。

「今年、建物内から建物外向けまで領域を拡大しました。今後は、さらに送電線向けなど電気設備工事関連の部分をもう少し広げていきたいと考えています。そのためには、これまで通り製品ラインナップを徐々に広げていき、電設業界の人手不足解消に繋がる省力化ソリューションを提供していくことが重要となります」

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特別高圧ケーブルなどの太い径にも対応した中間送り機「パワーボールISK-PB500」

(日本物流新聞2024年12月10日号掲載)