インタビュー
トーヨーエイテック 副社長執行役員 工作機械事業部門統括 岡野 寛範 氏
- 投稿日時
- 2024/11/26 09:22
- 更新日時
- 2024/11/26 09:24
社会課題を解決する工作機械
ミネラルキャスト採用の横形内面研削盤を初披露したトーヨーエイテック。新たな歯車研削盤「TGG-26-2W-HS」と複合研削盤を組み合わせ、長時間無人運転を導く自動化ラインも提案した。工作機械事業を統括する岡野寛範副社長に展示の狙いを聞いた。
――今展のテーマは。
「無人化・省人化、カーボンニュートラル(CN)です。歯車研削盤に砥石の自動交換機能を搭載し、さらに複合研削盤と組み合わせ、長時間無人生産できるシステムを展示しています。今は特に熟練作業者が減少傾向。内面研削盤は従来、長尺ワークの芯出しに熟練技能が必要で時間がかかりました。そこで横形内面研削盤『THG︱35C』は自動芯出し機能を搭載しています。労働人口の減少に対応する技術開発が急務です。我々メーカーは今後さらに、製品の性能や信頼性は当然として社会課題にも応える必要があるでしょう」
――社会課題に絡んで、CNでは何を訴求されますか。
「生産時のCO2排出量が鋳鉄より大幅に少ないミネラルキャストをTHG︱35Cに採用しました。熱や振動の影響を抑えることで性能も向上しますが、CO2排出量を鋳物より大幅に削減できる点が大きい。まだ他社もあまり採用していません。設備の省エネ性能は当然追求しますが、今後は設備の生産工程でどれだけCO2削減に貢献できるかが重要と考えます。そうした弊社の姿勢も訴求したいですね」
――国内景気は今一つです。
「BEVの動向をめぐり様子見が続いています。ただタイやベトナムは良いですし、中国も底を打ちまずまずという感じ。国内もJIMTOFが起爆剤になればと考えています」
(2024年11月25日号掲載)