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インタビュー

ファナック ソフトウェア研究開発本部 IoT開発部部長 流石 義人 さん

投稿日時
2025/05/13 16:35
更新日時
2025/05/13 16:36

小さく始めて小さく改善すれば高稼働率に

主要生産拠点を日本国内に集中するファナック。高い人件費をカバーするため自社の稼働監視・外部システム連携のパッケージ「FIELD system Basic Package」をデータ基盤として用い、設備稼働率95%以上を目指す。とはいえこれは結果論だとソフトウェア研究開発本部IoT開発部の流石義人部長は明かす。

「苦労して自動化を進めた結果、現在の姿になったのに過ぎない。最初から狙ってこんなにうまくいったわけではない」

ファナック工場はFIELD systemが各設備からデータを収集し、外部ツールNodeREDIBMが開発したフローベースの開発ツール。IoTの一部として使われる)を使って改善活動を続ける。

「生産技術から見た課題はこうだよね、こんな画面が遠隔地から見られるといいよね、こんな情報をメール通知できたらいいね、といったニーズを抽出し、それに対してどんな見える化がいいか、いつから見える化するか、効果をいつ確認するかといったことをまず計画し、それに対して画面をNodeREDで作る。それを現場で実際に使い、使いやすさを確かめ……PDCAを回している」

このように現場で本当に必要と感じるアプリをつくってきた。その結果として国内工場の27建屋で生産技術部門がこれまでに100以上のアプリを自作したという。

「アプリケーション導入を先に進めると現場の人は嫌がる。デジタルデータを使った改善をしたことがないと、なんか覗かれてるみたいで嫌だとなる。なので小さく始めて小さく改善したら現場の人が楽になった、というプロセスをぐるぐる回している」

417日、インターモールド会場で開かれた特別講演「ファナック工場でのデータ活用改善事例」から)

(日本物流新聞2025515日号掲載)