インタビュー
AMANO VIETNAM General Director 本間 鉄也 氏
- 投稿日時
- 2024/08/08 08:58
- 更新日時
- 2024/08/08 09:03
電気集塵式ミストコレクターで差別化
アマノはタイムレコーダー、駐車場管理システム、床面清掃機、工場内集塵機、ミストコレクターなどを製造する。その100%出資子会社として2020年に設立したのがアマノ・ベトナム(社員7人)だ。同社は工作機械に付くミストコレクター、集塵機を主に日系工場向けに販売。メンテナンス事業も合わせて事業を拡大している。
——ベトナム景気は2022年の第4四半期に急落し、以前の力強さに欠けます。
「この1年半は金属加工業の景気はよくなかったです。今年の第2クォーターから少し持ち直しの兆しが見られます。工作機械の販売台数は中国や他の地域に比べるとまだ少なく、中国のおよそ20分の1ほどですが、まだまだこれからの市場と捉えています。ベトナムはチャイナ・プラスワンというよりもタイ・プラスワンだと個人的には見ています」
——ベトナム拠点で集塵機をどれぐらい販売していますか。
「設立した2020年は活動期間が半年もなく数十台でしたが、その後、工作機械に強い山善ベトナムさんの協力もあって徐々に増え、23年には初めて200台を超えました」
——不景気知らずですか。
「他の生産財メーカーさんは軒並み2割から3割、前年度より減ったと聞きますが、当社の影響範囲は比較的小さく抑えることができました」
——とりわけよく売れている製品は。
「ミストコレクターと、乾いた粉を回収する冷蔵庫大の集塵機です。ほかに工場の外に置く大型の集塵機もありますが、数はそれほど出ません。当社の特徴はラインナップが幅広いこと。溶接用の煙を回収するヒュームコレクター、ビニールシートにレーザーマーキングするときに発生する粘着質のあるヒュームのコレクターもあります」
——ミストコレクターがよく売れるのは工作機械に付けて販売されるからですね。
「そうです、まずそれがあります。ほかには、何も対策されていないお客様がベトナムにはいらっしゃり、そこへの提案です。またミストコレクターを設備するもあまり機能していないお客様には更新の提案をします。ベトナムや日本に法規制はありませんが、日本の大手自動車メーカーさんは自主規制を設けており、その下請けさんにも同様に指導をされ、当社製品を使っていただけます。よい製品は綺麗な工場からしか生まれないという発想ですね」
——今後どのようにしてベトナムでのビジネスを拡大しますか。
「当社はここホーチミンにしか拠点がありませんが、ホーチミンとハノイの出荷台数はおよそ4対6です。景気の低迷で一旦保留にしていましたが、北部エリアにも年内に拠点を設けたいと思っています。南部からの出張対応ですとタイムロスがあります。意外と移動に時間がかかり、バンコクに行くほうが近いくらいです」
「当社にアドバンテージがあるのは、電気集塵式ミストコレクターをもつこと。一般的にはフィルターを使うのですが、それが不要です。特に油性油を使われるお客様は水溶性油よりも細かい煙状のものが出てきます。それは電気でしか取り除けません」
——電気式ミスコレクターを販売するメーカーは他にないのですか。
「中国製で見かけることはありますが、それほど多くありません。性能もそれほどよくないと聞きます。また当社は世の中にあまりない、爆発の対策をした集塵機も用意しています。アルミニウム加工で生じる粉体は極めて危険で、粉塵爆発という災害の危険性があります。これらは当社のアドバンテージになると思います」
電気集塵式ミストコレクター
(2024年8月10日号掲載)