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けんかっ早いけど人が好き Vol.90 岩貞るみこ氏(自動車評論/作家)

投稿日時
2025/02/07 13:28
更新日時
2025/02/07 13:30

温室栽培のイチゴ

春のイチゴ、夏のブルーベリー、秋のりんご。冬に食べられる幸せ。

ガソリン価格が爆上がりしている。いや、補助金が減っただけなので、本来の価格に近付いているということなのか。知人から、燃費がいいクルマはどれかと尋ねられることも増えた。しかし私の答えはいつも同じだ。好きなクルマに乗りたまえ! だって人生一回きりだもの。乗りたいクルマに乗るのが燃費なんかよりよっぽど幸せだと思うのだ。

燃料代が食品の高騰にもつながり、小麦粉やバターに加えて鳥インフルエンザの流行で卵の価格も上がったので、パン屋の友人はさぞや苦戦していると思いきや、「高くても買ってもらえるパンを作る!」とやたら張り切っていた。そうだった、彼女もピンチが大好物な人種だった。

報道を見ていると温室栽培農家も大変らしい。重油や軽油を使うところが多く、この冬はこれまでより2~5割ほど燃料代がかかっているという。ただ、ちょっと思う。そもそも温室栽培って必要なのか? 私は冬にトマトやきゅうりは買わない。夏野菜は体を冷やし、冬野菜は体を温めると言われているからだ。寒い季節に体を冷やすトマトを、わざわざ燃料費をかけ二酸化炭素を排出しながら作らなくてもなあ。そう思いながら、今流行のChatGPTに体を冷やす野菜はなにかと尋ねてみた。すると、トマトなどに加えてピーマンやレタスのほか大根が出てきた。大根? おでんの定番なのに体を冷やすのか。よく読むと特に生でサラダとして食べる場合とあった。ついでに体を冷やす果物を尋ねると、スイカ、メロン、梨のほかにキウイ、パパイヤ、マンゴーと南国系が並ぶ。暑い国の人はこれで体温調整しているのかも。そして、なんとイチゴもあるではないか(注・ChatGPTはネット上の情報をまとめるだけなので正誤判断はしていない)。

イチゴ! たしかにイチゴの旬は3~5月。冬に美味しいイチゴのショートケーキが食べられるのは温室栽培という農家さんの努力の賜物である。そうか、夏野菜はともあれ、イチゴは今、食べたいぞ。温室栽培農家さんには、なんとしてもがんばっていただきたい。夏はあんなに暑いのに、あの倒れそうな暑さをちょっと貯めておいて冬に使えないものなのか。発明できたら間違いなくノーベル賞だ。ぜひ、だれかがんばってくれないかな。

(日本物流新聞2025210日号掲載)

岩貞るみこ(いわさだ・るみこ)

神奈川県横浜市出身。自動車評論のほか、児童ノンフィクション作家として活動。国際交通安全学会会員。最新刊に『法律がわかる! 桃太郎こども裁判』(講談社)