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けんかっ早いけど人が好き Vol.74

これまで何度かこのコラムにも登場させているため読んでくださっている方々は、私のiPhoneが古いことはご存じのことだろう。そう、7シリーズである。いまだにそんな古い機種を使っている人がいるのかというレベルだが、大切に長く使うことは最大のSDGSなのである。といえば聞こえはいいが、買い替えるのがもったいないのと、めちゃくちゃに入れてあるアプリを新しいスマホに移築するのが面倒かつ不安というのが本音である。それに、そもそも、そのまま使っていてもなんの不自由もないのに、スマホ会社の経営戦略にわざわざはまる必要もなかろう。

iPhone15は、充電も背中のマグセーフで完了。

そう思っていたのに、ここへきて問題が出始めた。アプリだ。少しずつ私の古いスマホに対応しなくなってきたのである。最初に私にケンカを売ってきたのはセブン〇レブンなのだが、世の中にはほかにもコンビニはたくさんある。セブン〇レブンが使えなくなったところで(正確にはクーポン)、なんの問題があろうか。ほかにもいくつかのアプリが私の元から去っていったが、へでもない。どうぞご自由にである。

しかしだ。ある日、私の目が点になった。チケットぴ○が、推しと私をつなぐ唯一の接点であるライブチケットを扱うチケットぴ〇が、対応しなくなったのである。

なんだとお! 今やライブは紙チケットなどなく電子チケットを使う。つまりスマホを持っていないとかアプリを使いこなせない人は、その時点で脱落する。そりゃ、老体に鞭打ってでもアプリを使いこなしますとも! ところがとんでもない倍率を勝ち抜いてチケットを得たというのに(ひゃっほー!)、肝心のチケットが、いや、アプリそのものが表示されないのである! 

これはいかん。即! 買い替えだ! 仕事のためというと腰が重いが、推しのためとなったら即断即決である。7シリーズから一気に15だ。どうだ、文句なかろう。アプリの移築をどうするかびびっていたけれど、購入先でぜんぶやってくれた。なんだ、やってくれるんじゃん! 不安に震えていた夜はなんだったのだ(震えていません)。

これでもう怖い物はない。さあ、ライブだ。推しだ。あとは3時間飛び跳ねる体力だけだ。今年も行くぞ! おー!



(2024年6月10日号掲載)

岩貞るみこ(いわさだ・るみこ)

神奈川県横浜市出身。自動車評論のほか、児童ノンフィクション作家として活動。国際交通安全学会会員。最新刊に『法律がわかる! 桃太郎こども裁判』(講談社)