連載
けんかっ早いけど人が好き Vol.102 岩貞るみこ氏(自動車評論/作家)
- 投稿日時
- 2025/08/07 15:46
- 更新日時
- 2025/08/07 15:49
サングラスの悪評退治
暑い。とんでもなく暑い。そして、なんだこの日差しの強さは。みんな裸眼で歩いていて大丈夫なの?

この夏のヘビロテ。ユニクロとオークリーもどき。
日本では、特に私より上の世代はサングラスに偏見を持っている節がある。とりわけ若い世代の男の子たちがサングラスをかけていると即、行儀知らずの輩だと確定してしまう。いやいや、ちょっと待て。たしかあなたたち、サングラスかけたトム・クルーズやブラッド・ピットは、かっこいいって言いますよね? 欧米人には弱い我々世代である。
目の健康のために日本人ももっとサングラスをかけるべきではないか。私はずっとそう思っている。眼球は唯一、外気にさらされている内蔵だと私の主治医の眼科の先生が力説したときは、胃や腸が外に出ちゃっている図を想像してぬおおお! と思ったけれど、でも、目玉が外気にふれて紫外線にさらされまくっているのは、よろしくないということはすぐわかる。たとえ、まばたき選手権世界王者なんて人がいたとしても紫外線は防ぎきれない。目玉に日焼け止めを塗るわけにはいかないのである。
そんななか、時代は少しずつサングラスの悪評と闘う決意をしたようだ。この夏、熊本城の運営センターが、野外での接客時にサングラスを着用すると宣言したのだ。いいことだ。ぜひ、目を守ってもらいたい。でも、こういう発表をしなければいけないこと自体、「サングラスかけて案内しているやつがいた。不謹慎だ!」と、自分本位な正義感を振りかざして苦情を入れてくる人がいるということなので本当に面倒くさいと思う。サングラスくらいさせてあげようよ。
私がこの時期、心配しているのは高校球児だ。暑い甲子園球場で全員、裸眼のまま白球を追いかけていて大丈夫なのかと本気で心配してしまう。同じスポーツでもビーチバレーはみんなサングラスしているし、オーストラリアの一部地域の小学生にいたっては義務だ。サッカーやラグビーのようなボディコンタクトの多い競技はともかく、せめて高校野球は自由選択にして、それこそ周囲の悪評から大人が守ってあげればいいのに。投手の球数制限をするとか、熱中症対策のため7回で終わりにするとか言っているけれど、サングラスも議論の土台に上げてほしいものである。
(日本物流新聞2025年8月10日号掲載)

岩貞るみこ(いわさだ・るみこ)
神奈川県横浜市出身。自動車評論のほか、児童ノンフィクション作家として活動。国際交通安全学会会員。最新刊に『こちら、沖縄美ら海水族館動物健康管理室。』(講談社)