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けんかっ早いけど人が好き Vol.101 岩貞るみこ氏(自動車評論/作家)

投稿日時
2025/07/25 10:10
更新日時
2025/07/25 10:32

青い鳥文庫化

以前、書いた単行本が3冊、文庫化されることになった。単行本とはハードカバーの立派な本であり、文庫本は手に取りやすい小型の本のことである。私は電車の中や外出先での時間調整で読む機会が多いこともあり、だんぜん文庫本派である。なんたって軽い。しかも安い。文字が小さいことが難点だが、ありがたいことにまだ老眼鏡をつけずとも読めるレベルなので問題ない。

8月には「キリンの運びかた、教えます」も出ます!

私の書く本は小中学生向けなので、お嫁入先は講談社の青い鳥文庫である。文庫化するときはもういちど本を読み返し、修正すべき点は直していくという。そして編集さんはこう言った。

3冊同時だと倒れるので、発売月を分けましょう」

はて? 文庫本にするのは、すでに一度出版した本である。私が書き上げた文章は、その後、編集さんや校閲さん(間違い探しのプロ)といっしょに初校・再校と2回も確認しており、完璧なはずだ。読み返すといっても、ぺらぺらーっとめくってナナメ読みすればいいだけの話ではないか。なのに、倒れるとは?

そして送られてきた最初の2冊の校正用紙を見て、私は頭を抱えた。先に読んだ校正さんの赤ペン指摘で真っ赤なのである。私が読んでも、あーっ、これってどういう意味で書いてんの? うわ、これ、ぜんぜん違うじゃん! のオンパレード。直すときは、行数はあまりいじれない。直し過ぎて次のページまで文字が動くようなことはもちろん、できれば次の行まで影響するような直し方も極力避けなければいけない。しかも、「あっはっは」が「あはっは」になっているという初歩的なミスまである。これはいったい……

2冊分の読み込み作業は1週間近くかかった。一冊の本を書くまでとはいかなくとも、とんでもなく気力体力と時間を消耗する。たしかに3冊同時にやっていたら倒れていたかも。そして出来上がった最初の2冊。いま話題の高いと言われるお米も、本当に手間暇かかる作業でしてよ、お米が高騰してもお米農家さんにはぜんぜん関係ないのよということを知ってほしい本と、大人気アイスバー、ガリガリ君はこうして作られる内部告発(違)&新人社員の成長物語。文庫本とはいえ文字は大きく、するするっとお読みいただけますので、ぜひどうぞ!

(日本物流新聞2025725日号掲載)

岩貞るみこ(いわさだ・るみこ)

神奈川県横浜市出身。自動車評論のほか、児童ノンフィクション作家として活動。国際交通安全学会会員。最新刊に『こちら、沖縄美ら海水族館動物健康管理室。』(講談社)