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digglue、デジタルの力で資源循環に新風
- 投稿日時
- 2025/12/10 15:52
- 更新日時
- 2025/12/10 16:04
廃建材見える化で再資源化+リユース促進
建設現場では日々、木材や金属、プラスチックなど様々な建設資材が廃棄される。建物は一品一様に設計されることがほとんどで、多めに発注された部材が新品同様の状態でゴミとなることさえある。一方、現場は人手不足や時間外労働規制などで、廃棄物の処理まで手が回らないことも多い。

資源循環プラットフォーム「CEトレーサビリティ」のリユース管理機能のイメージ
2018年にブロックチェーン技術を軸に起業したdigglue(東京都新宿区、原英之CEO)は、 建設現場や製造業の工場、自治体などで出る廃棄物の資源循環に挑んでいる。
同社が開発した「CEトレーサビリティ」は、資源循環プロセスの可視化と最適化を図るプラットフォーム。廃棄物量を手間なく正確に測るためのBluetooth対応の重量計やIoTセンサー、QRコードリーダーなどのデバイスと連携し、取得した重量データからCO2排出量やリサイクル率などを即座に算定・可視化するソフトウェアで、「廃棄物管理に留まらず資源循環を促すところまでを意識しているところに特徴がある」(digglue 執行役員 資源循環DXコンサルティング部門担当の池田陽輔氏、以下同)。
建設業界から出る産業廃棄物は、適切に処理されたかを把握するための産業廃棄物管理票(産廃マニフェスト)での管理が義務化されている。そのため、産廃マニフェスト関連の省力化ソリューションは世に数多ある。一方で、「産廃マニフェストのデータを活用して再資源化に繋げ、PDCAを回せるツールは少ない」という。
「ダッシュボード画面では複数拠点の比較なども簡単に行え、例えば排出品目の中で『その他』の比率が多い現場は適切に廃棄物の分別ができていないと推察できる」
このように、CEトレーサビリティは取得したデータを改善へのアクションにつなげやすいように設計されている。ユーザーの中には再資源化を適切に行うことで産廃処理費やCO2排出量を70%以上削減した例もある。
■廃棄物のリユースも
現在、同社が力を入れているのがリユース管理機能だ。現場で余った新品と同じ様に使える建材を回収し、リユース在庫として管理する。CEトレーサビリティを活用する大手住宅メーカーで、新品同然の建材が産廃処理されていたことから開発した。
「建設業は竣工したら現場がなくなるため、建材を現場に残しておくわけにもいかず、多くが産廃処理に回されてきた。以前から問題は認識されていたが、CEトレーサビリティで余剰の建材を把握・管理することで、別の現場でリユースする動きを生み出せるようになった」
本機能により、大手住宅メーカーでは廃棄物の削減だけでなく、資材調達コストやCO2排出量の低減にも役立てているという。
「現状、どれだけ管理の手間が削減できるとはいっても、資源循環の取り組みは現場負担が増すだけ。いかにコストセンターからプロフィットセンター化して、現場から経営層マターに変革していけるかが重要になる」
そのためにも、池田さんは「見える化」が重要であると説く。
「可視化されていないから問題となっていないプロセスは多々ある。結果だけでなくプロセスも含めて見える化することによって、資源循環の動きを促進できる」
同社が目指す「一方通行のリニアエコノミーからの脱却」こそが、企業競争力の源泉となる未来もそう遠くはなさそうだ。

digglue 執行役員 資源循環DXコンサルティング部門担当の池田陽輔氏
(日本物流新聞2025年12月10日号掲載)