きっかけはケロさんが40万円のBMWのバイクを買ったこと。どうせ買うなら面白いバイクがいいと思っていろいろ探していたら2ストに乗ってみたい!という、妙な欲望がムクムクと。

というのも、以前からケロさんやバイク屋さんが口を揃えて言っていたんです。　「2ストはヤバい。特にパワーバンドに入った時の暴力的な加速力は一度体感したら忘れられない」と。

2ストロークは当時からすでに絶滅危惧種。新車で買える車種もほとんどなく、「じゃあ中古で探してみるか」と思い立ち、いつものようにヤフオクを物色。「安けりゃボロくてもいい。125ccでとにかく安いヤツ!」そんな条件で探していたら、出てきたのが1999年式のKTM125EXC。

年式も古く、かなりボロボロの見た目でしたが、むしろYouTube的にはアリ!と即決で落札。ちなみにこのKTM125EXC、元はレース用のオフロード車でして、125ccながら40馬力、車体もめちゃくちゃ軽いんです。前オーナーは「月に数回、車に積んで山遊びしてた」とのこと。

オフロード車としては王道な使い方ですが、私はモタード化（オンロード化）して通勤や街乗りに使ってみようという、ちょっとズレた使い方を企てていました。

ナンバーを取得し、近所を軽く流してさっそく通勤で初乗り。もちろんセルなんて甘えたものはなく、キックスタートオンリー。

「ギィー、バリバリバリバリ‼」

朝の静かな住宅街にオイルの燃える匂いと轟音が響き渡ります（※ヘルメットをしてて気づいていない）。最初は慎重に運転して、会社までゆっくりと。ただ、低速トルクが全然なくて進まない!

■パワーバンドに入った瞬間!

回せば進むけど、なんか壊れそうで怖い…。「125ccの2ストってこんなもんなのかな?」と少し拍子抜けしながら午前の仕事をこなしてお昼休み。意を決しアクセル全開。

「ぶおおおおおおおおん‼」

想像以上の爆音とともにフロントが浮く!

「うおっ!ウィリー⁉やばいひっくり返る‼」

思わず叫びながら、なんとか持ち直し、あの噂の“パワーバンド”に突入していたことを悟ります。

いや～これは…危険だけど楽しい。病みつきになるのがわかる（笑）

帰り道は少し遠回りしてKTMのパワーを楽しむことに。手に伝わるビリビリとした振動すら愛おしい。

「これが…2ストか…」と余韻に浸っていたその時。

「ぶおお…ぶお……」

なぜか加速しない…?いや、失速していく…?

「ガギッ‼」という謎の金属音とともに、エンジンが停止。「まぁエンストかな…」と軽い気持ちでキックを踏もうとするが、ビクともしない。

「…あ、ヤバい」

これは、素人の私でもわかるアカンやつ。まさか初日でエンジンブロー…?　かくして、モタード化計画に早くも暗雲が立ち込めることとなりました。

どうなるKTM125EXC?　次回もお楽しみに!

（日本物流新聞2025年11月25日号掲載）