連載
ファザーマシン2/Chapter53
- 投稿日時
- 2025/08/07 15:43
- 更新日時
- 2025/08/07 15:46
切削工具の製造現場 【その1】
みなさん、こんにちは。工業系YouTubeチャンネル、なんとか重工のとんこつです。
今回は、「切削工具の製造現場その(1)」をお送りします。

イワタツールさんのソルトバス
なんやかんやでお付き合いが長く、今では動画だけでなくセミナーでもコラボさせていただいているイワタツールさん。その出会いのきっかけは、なんとか重工宛に届いた一通のメールでした。
「イワタツールの岩田です。はい。ほこたてに出てました。ある人から紹介されてYouTubeを見ました。取材とかともかく一度話を聞かせてください」
なんだこの人――。これが岩田社長に対する私の最初の印象です(笑)。正直なところ、最初はメールの文面もどこか怪しく、不安がありましたが、あの「ほこたて」に出ていたという情報も添えられており、「たぶん本人だろう」ということで、ケロさんと一緒に会いに行くことになりました。
名古屋市守山区にあるイワタツールさんは、守山インターからのアクセスも良く、外観もおしゃれで、パッと見では切削工具を製造している会社には見えません。実際にお会いした岩田社長は、お茶目で面倒見のいいおっちゃんという感じ。
ほこたて出演者と当時の視聴者ということで、すぐに意気投合し、工場見学動画でのコラボが決まりました!
イワタツールさんでは、センタードリルのような一般的な切削工具はもちろん、少し尖った特殊な切削工具まで製造されています。そして今回は、その製造工程を実際に見せていただけるということで、テンションMAXです。(ちなみに、あのオーエスジーさんでも製造工程の撮影は叶わなかったので、この機会は本当に貴重でした)
■ドリルの製造工程は必見
では、いよいよ製造工程を追っていきましょう。まずはセンタードリルの加工から。
長い生のハイス鋼をバーフィーダー付きのNC旋盤にセット。このNC旋盤は、くし刃型で2スピンドル仕様。私が会社員時代に扱っていたものとは、大きく異なります。
片側をセンタードリルの形状に加工→反対のスピンドルでチャッキング →突っ切り→ そのまま反対側を加工→ 排出、とここまで完全自動で行われます。
まるで金太郎飴のように次々とセンタードリルが生まれていきます。しかも、バーフィーダーには長尺材料を複数本搭載できるので、段取りさえしておけば夜間でも無人で量産可能というわけです。
加工後は焼き入れ工程に進みます。さまざまな焼き入れ方法がある中で、イワタツールさんでは昔ながらのソルトバス焼き入れが採用されています。なんと1200度の塩のお風呂に材料をドボン!
塩を使うため、焼き入れ場はあちこちが錆びており、お世辞にも綺麗とは言えません…。ですが、液体なので芯までよく温まり、空気を遮断することでハイスが酸化しないという、大きなメリットがあるとのこと。
撮影中は「カメラが壊れるんじゃないか」と思うほどの熱気で、正直冷や冷やしながらの現場でした(笑)
安いからとついつい雑に加工して折ったりしていたセンタードリルも大変な工程を経て作られているので、作り手に感謝し大切に使おうと改めて思いました。
(日本物流新聞2025年8月10日号掲載)

工業系YouTuber【なんとか重工】とんこつ
工業系YouTubeチャンネル【なんとか重工】を、相方のケロと2人で運営。旋盤やフライス、マシニングに溶接機、3Dプリンターなどを活用して自分たちが作りたいモノを作るチャンネル。登録者数は13.4万人(2025年8月6日現在)