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ファザーマシン2/Chapter49

投稿日時
2025/06/09 16:08
更新日時
2025/06/09 16:12

オーエスジーさんと再びコラボ

みなさん、こんにちは。工業系YouTubeチャンネル、なんとか重工のとんこつです。

今回は、「ねじ切り動画編」をお送りします。

アクリルへのネジ切り加工で分かりやすくしました

日々、卓上旋盤で何か面白い企画ができないかと考えていたある日、ふと思い立ってオーエスジーさんに「ねじ切りに関する動画を出したいんですが…」と相談してみました。

すると、なんとすぐに返信が来ました! ちょうどその頃、オーエスジーさんでは新しいTiNコーティングが施されたねじゲージが発売されたばかりで、「いま社内がねじゲージで熱いんです!」とのこと。

ついでに卓上旋盤でも綺麗にねじ切りできるってことを伝えられたらと思い、さっそく企画書を作成しました。

話はあれよあれよと進み、無事に企画が通過。ただ、かなりマニアックな内容だったので、あの“最強のピザカッター”のようなインパクトは正直ありません。「1万回再生いってくれれば…」とオーエスジーさんもかなり控えめな感じでした(笑)。

とはいえ、動画では卓上旋盤でのねじ切りの実態をしっかり紹介しました。普通旋盤では、ねじ切り用レバーと切削送りレバーが別々になっていて切り替えが簡単なのですが、卓上旋盤にはねじ切り用レバーがありません! ※もちろん自動送りがない物もあります

そのため、切削送りもねじ切りも、1本のレバーのみで操作します。つまりF0・2でもF1・75でも、同じレバーです。近い送りであれば送り変換レバーで切り替えられる場合もありますが、大幅に変えたい場合は、機械左側のギアボックスを開けて、6枚くらいのギアを送りに合わせて適切に組み合わせる必要があります。

これがまぁ面倒。普通旋盤なら30秒もかからないところを、卓上旋盤では慣れた人でも15分はかかります…。

■33万回再生を記録!

ねじ切りの方法についても紹介しました。よくあるのは「毎回ハーフナットの位置を合わせて同じ谷で切る」方法。でも、私のおすすめは「ハーフナットを噛ませたまま、正転でねじ切り・逆転で刃物を逃がす」方式。これならタイミングを待たずに加工でき、スピードも速い。ただし、逆転のあとにうっかり再度正転を入れると、刃物がチャックに突っ込んでしまうという怖さもあります。

まだあります!  卓上旋盤では、その正逆転の切替がスイッチ式。しかも回転中には切り替えられないので、いったん完全主軸停止→正逆転切替スイッチ操作→主軸回転スイッチONという流れ。書いていても混乱しそうですが、実際に作業でも慣れるまで結構戸惑いました(笑)。

今回はねじ切りの動作を見せるためにアクリルを使って実演。透明なアクリルで加工したおかげで、ねじゲージがスッと入っていく瞬間が綺麗に撮影できました。

正直、私自身もバズるとは思っていなかったんですが、結果的には現在33万回再生を突破。海外からのコメントも多く、国内外にねじゲージや卓上旋盤の可能性を伝えることができたと思います。

直接売上に繋がったかは不明ですが、この業界には「便利だけど知られていないもの」が山ほどあるので、そんな一助になれたのは素直に光栄でした。

冷静に考えると、「ねじゲージの案件」を受けられるユーチューバーって、かなり珍しい存在なのではないかと…(笑)。

次回もお楽しみに!



(日本物流新聞2025年6月10日号掲載)

工業系YouTuber【なんとか重工】とんこつ

工業系YouTubeチャンネル【なんとか重工】を、相方のケロと2人で運営。旋盤やフライス、マシニングに溶接機、3Dプリンターなどを活用して自分たちが作りたいモノを作るチャンネル。登録者数は13.2万人(2025年6月8日現在)