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ファザーマシン2/Chapter26

念願の「専用スタジオ」を格安ゲット

皆さん、こんにちは。工業系YouTubeチャンネル「なんとか重工」のとんこつです。今回は、「工房お引越し編」をお送りします。

会社員としての仕事とユーチューバーとしての活動の両立にも、少しずつ慣れてきました。

仕事中でもついYouTubeのことが頭に浮かび、企画を考えたり、自分たちの工場が持てたらなーなどと妄想を膨らませる日々を送っていました。

狭くなった工房です(最初は広かったのですが)

勤め先の一室を借りてのYouTube撮影は、会社が近く、仕事が終わった後に翌日の撮影準備ができるなど、メリットもありました。しかし、会社が忙しくなると非常にやりづらく、特に土日に撮影をしている時、休日出勤している同僚がいると少し気まずい雰囲気になります。

また、バイク系の企画や大規模なプロジェクトでは、仕掛品をそのまま放置しておくことが難しく、不便を感じていました。

空き工場は以前から探し続けていたものの、なかなか理想的な場所が見つかりませんでした。活動地域周辺は工場地帯ではなく、そこまで田舎でもないため、空き工場の数が圧倒的に少なく、あったとしても家賃がかなり高額でした。

安くても月20~30万円ほどで、収益化したばかりの弱小ユーチューバーには払えません。視聴者の方から「うちの工場を使ってもいいよ!」と親切な提案もありましたが、距離が遠くて頻繁に通うのは難しいため、断念せざるを得ませんでした。

そんな中、ケロさんから「少し離れているけど、安くて良さそうな場所を見つけたで!」という朗報が届きました。それは、かつて複数の陶芸家さんたちが使っていた作業場でした。

■陶芸家さんの中に混じって

三相200Vの電力はありませんが、ネット環境が整い、トイレも完備されています。部屋には蛇口もあり、少し埃っぽい(石灰?)ことと、2階にあることを除けば、非常に満足のいく工房でした。さらに、家からの距離も会社に通うのとそこまで大差はなく、十分に通える範囲内です。

そして、なんと言っても家賃が安い! 月々わずか3万円。

広さは約20畳あり、日当たりも良好、周りは閑静な住宅街という良物件。オーナーさんもとても理解のある方で、YouTuberに物件を貸すというのは相当な覚悟が必要だと思いますが、壁なども自由に改造して使って良いと言っていただけました。

その建物には他にもいくつか部屋があり、陶芸家さんたちが活動していました。交流はほとんどありませんでしたが、一度だけ「猫がこちらに入ってきませんでしたか?」と尋ねに来られたことがあります。

その時、私たちの部屋にある明らかに陶芸とは異なる機材を見て、少し驚いたようでした(笑)。

新しい拠点ができたことで、機械加工は会社で、それ以外の撮影は工房で行うという二拠点での撮影スタイルが整いました。これまで以上に自由に撮影や製作ができる環境を手に入れたことで、企画の幅が一気に広がりました。

バイクプロジェクトや新しい機械の導入など、これまで夢見てきた企画を実現できることに、心からワクワクしていたのを覚えています。

結成からここまでちょうど1年かかりました。しかし、まだまだ収益が十分でなく、ビジネスとしては苦しい状況が続いていますが、私たちにとって大きな一歩でした。今回はここまで。次回もお楽しみに!



2024625日号掲載)

工業系YouTuber【なんとか重工】とんこつ

工業系YouTubeチャンネル【なんとか重工】を、相方のケロと2人で運営。旋盤やフライス、マシニングに溶接機、3Dプリンターなどを活用して自分たちが作りたいモノを作るチャンネル。登録者数は12.5万人(2024年6月26日現在)