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ジダイノベーター Vol.8/製造現場特化のスキル管理ソフト

投稿日時
2022/11/08 13:57
更新日時
2022/11/08 14:01

Skillnote、スキルの見える化で人材育成・配置を効率化

国内製造現場は自動化、DX化待ったなしといった状況だ。製造に直結する設備や機器の置き換えが進む一方で、人材の育成や管理については従来通りの方法をとっている現場が多いのではないだろうか。 

分析ツール(手前)とスキルマップのイメージ

「つくる人が、いきる世界へ」とのビジョンを掲げ、製造現場に特化したスキルマネジメントシステム「Skillnote」を提供するのが同名のSkillnoteだ。製造現場では品質管理や労働安全の観点から従業員のスキルや技量管理が必須だが、部署ごとにExcelなどの表計算ソフトを使って行われることが一般的だ。そのため、属人的な作業による入力ミスや部署ごとに異なるフォーマットやスキル文言により全体的なマネジメントが困難な点など課題が多くある。

Skillnoteは従業員のスキルを軸に教育情報と資格情報を一元管理し、教育計画の立案や進捗確認が行えるとともに、ISOIATFで求められる教育訓練記録などの書類作成とスキルマップへのスキル登録も行える。また、有効期限のある資格の更新通知の自動化や、分析ツールを活用した適切な人材育成計画も可能。

同社の山川隆史代表取締役は「大手の製造現場では部署で100種類程度、全体で5万種類ほどのスキルをExcelで管理している企業もあります。加えて、自動車産業を典型として、本来であれば50年かけて起こる事業変化を今後5年で起こしていかなければならないとも言われています。人手不足により適切な人材獲得が難しい現状、事業内容の変化に合わせて社内人材のスキルを適切に移行する必要があります」と話す。

■多言語対応で海外展開も本格化

ここ数年の社会の変化に合わせ製造業を取り巻く環境が大きく変わってきた。スキル管理の見直しやデータ活用に取組む企業の増加と共に、導入数が飛躍的に伸びてきている。

「今年に入り導入企業数が2倍近く伸び、現在150社以上の企業に導入いただいています。中にはExcelデータを完全に捨てられたお客様もいます。二重管理をやめて我々のサービスに一本化するということですので、サービスへの信頼を実感するとともに、大きな責任を感じています」

今年1月には多言語対応(英語、中国語、スペイン語、タイ語等)を完了するなど、海外でのサービス提供にも力を入れている。日系企業の現地法人だけでなく海外企業からの問い合わせも増えてきているという。山川代表によれば、国内よりも自動化が進んでいると言われる欧米でも、スキル管理に関しては国内と同じようにExcel主体で行われているため、比較的サービス展開はしやすいとのこと。

海外展開を強める背景には、山川代表が創業当時から掲げる「日本発、世界一のサービスをつくる」という思いがある。「信越化学工業在籍時にシェア1位でないと思うように事業展開できないという経験をしました。『つくる人が、いきる世界へ』というビジョンを実現するためにも、5年後の2027年に売上100億円(導入数約4000社)という中期的な目標に向かって、国内・海外問わずグローバルに展開していきます」と大きな目標の達成に向けて着実に歩みを進めていく考えだ。



(2022年11月10日号掲載)