国内初、工作機械の本格Web展「JIMTOF2020 Online」開幕

国内初の本格的な工作機械WEB展示会「JIMTOF2020 Online」が11月16日にオープンしました。世界8カ国・地域から393社のメーカーが集結し、動画配信やチャット等を駆使して最先端の工作機械や関連機器・技術を披露しています。「JIMTOF2020 Online」をハブにしつつ、コンテンツがより豊富な自社特設サイトやウェビナー、小規模の自社内覧会へと引き込む動きも多数。オンラインとリアルが連動しながら、工作機械技術をより広く、深く伝える試みが進展しそうです。

オンラインとリアルが連動、先端加工技術を深く広く発信

国内初の本格的な工作機械WEB展示会「JIMTOF2020 Online」(主催:一般社団法人日本工作機械工業会/株式会社東京ビッグサイト)が、2020年11月16日(月)~27日(金)の12日間、特設Webサイト上(http://www.jimtof.org/online/jp/index.html)で開催されています。

【画像】1:前回のJIMTOF2018(東京ビッグサイト)は15万3,000人が来場、連日超満員に

JIMTOF2020 Onlineには世界8カ国・地域から393社(国内369社、海外24社)のメーカーが集結し、動画配信等を駆使して最先端の工作機械や関連機器・技術を披露します。また、来場者との名刺交換やチャット機能を通じて、リアル展と同質の双方向ビジネスを可能としました。

工作機械はここ数年で、ハードよりもソフト面がクローズアップされるようになりつつあります。DX(デジタルトランスフォーメーション)、AI、IoTなどをうたう製品も多数。機械の稼働監視や遠隔保守などよく知られる機能のみならず、5軸MCの自動運転(キタムラ機械)、高度な機上計測と自動補正、切りくず洗浄をAIが効率化(DMG森精機のAIチップリムーバル)するなど様々なソリューションが続々と登場し、今回展でも新発表に期待がかかります。それらソフト面の進化によって自動化がいっそう進み、周辺機器との融合を強く意図した5軸加工機も現れています。

【画像】2:AIによる切りくず堆積状況の分析(DMG森精機のAIチップリムーバル)
【画像】3:ティーチング不要の自動化システム(ヤマザキマザックのMILL ASSIST)

出展各社ではJIMTOF2020 Onlineと、独自の自社WEBサイトやウェビナー、小規模な内覧会を連動させる動きも多数。オンラインとリアルが連動しながら、工作機械技術をより広く、深く伝える試みが進展しそうです。特設WEBサイトやの開催情報をまとめました。

ちなみにリアル会場での内覧会は人数制限や来場時間の指定などで、感染防止対策を強化している関係から、一般に広く周知していないものも多数ある様子。「JIMTOF2020 Online」で気になるマシンや技術を発見したら、各メーカー担当者に詳しく尋ねてみるのもよいでしょう。

ウェブ展のアピール効果は?

従来のリアルな催しに比べてJIMTOF2020 Onlineは、どれくらいのアピール効果が期待できるのでしょうか?

日本物流新聞社では「JIMTOF2020 Online」の出展各社に、アンケート調査を実施しました。有効回答のあった76社で最も多かったのは「40〜60%未満」(34.2%)。意外だったのは「100%以上」(7.9%)の回答が6社あったことです。

【画像4】円グラフ:グラフウェブ展のアピール効果への期待度(従来のリアル展との比較)

その理由として「展開できる情報量は以前よりも大きくなっている」(研削盤メーカー、120%と回答)、「史上初のオンラインだからこそ、どう出展するのかをお客さまが期待しており、注目度がいつもより増している」(旋盤メーカー、100%と回答)を挙げました。
一方で、「40%未満」(18.4%)と悲観視する出展者も。「名刺交換機能もあるがどこまで引合に結び付くか不透明」(工作機器メーカー)、「情報発信が一方通行になりやすい」(旋盤メーカー)、「お見せできる情報量や説明時間はリアル展と比べものにならない」(放電加工機メーカー)と厳しい意見が寄せられました。

工作機械業界にとって、オンラインでのここまで大規模な展示会開催は初の試み。JIMTOF2020 Onlineのプラス面、マイナス面の両方を糧としつつ、営業・広報活動においてもDX(デジタルトランスフォーメーション)がより一層加速するきっかけになりそうです。

<JIMTOF2020Onlineと連動する自社WEB展まとめ>

オークマWEB OKUMA MACHINE FAIR JIMTOF2020


https://www.okuma.co.jp/womf202011/


◆期間:20201116日(月)~1225日(金)


◆内容:最新鋭の主力機種20台を展示。次世代ロボットシステム「ROIDシリーズ」、門形マシニングセンタ3台を含む多様なラインナップの主力機種20台を展示。機種・ワーク・ソリューションの選択で、見たい加工機の動画・説明にたどり着きやすい。




DMG森精機DMG MORI オンラインテクノロジーデイズ」


https://www.dmgmori.co.jp/sp/otd/


◆期間:20201116日~27日(金)


◆内容:5軸化・複合化/自動化/デジタル化がテーマ。伊賀グローバルソリューションセンタなどを「デジタルツインショールーム」をみせる。新製品ステージやウェビナーも。




ソディックSodick World Tour


https://www.sodick.co.jp/jimtof2020/


◆期間:20201113日(金)~


◆内容:放電加工機や射出成型機の新製品を多数披露。JIMTOF2020 OnlineIPF JAPAN 2020 Virtual(https://www.ipfjapan.jp/)に連動。




オーエスジー「OSG WEB SHOWROOM × JIMTOF2020 Online」


https://www.osg.co.jp/showroom/index.html?utm_source=url&utm_medium=nmail201102&utm_campaign=showroom


◆内容:常設。JIMTOF2020 Online開催に合わせて、特別プレゼントがもらえるスタンプラリーなどを開催中。




三菱マテリアルDIAEDGE WEB展示会2020


http://carbide.mmc.co.jp/virtual_exhibition/


◆期間:2020119日(月)~27日(金)


◆内容:動画や写真、3DCGでの製品展示やWEBセミナー、360°カメラでの工場見学などを予定。




岡本工作機械製作所OKAMOTO WEB SHOWROOM


https://www.okamoto.co.jp/


◆期間:20201116日(月)〜


◆内容:新製品のMAP研削ソフトUPG3010CHLiシリーズなど製品・技術を動画中心に紹介。JIMTOF期間中の特販セール、実機確認予約コーナー、加工やサブスク相談コーナーも。




牧野フライス製作所「MAKINO MEET NEXT 2020」


https://info.makino.co.jp/jimtof2020/


◆期間:20201116日(月)〜


◆内容:ウォーターレーザー加工機をはじめ新製品・ソフトウェアを豊富なデジタルコンテンツで紹介。ウェビナーも多数。




中村留精密工業「バーチャルショールーム」


https://www.nakamura-tome.co.jp/virtual_showroom/


◆期間:20201116日(月)〜


◆内容:国内初披露の世界最小主軸を搭載した複合加工機など最新機種のみならず、NCプログラムを自動生成できるソフト、セットアップが短時間でできるロボットシステムなどを動画などで紹介。リアルタイムに質問できる生放送のウェビナーなども。




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