【JIMTOF2022】工作機械技術トレンド

従来からJIMTOFは新製品・新技術発表の舞台として捉えられ、これまで同時5軸加工、AM(Additive Manufacturing=積層造形加工)、FSW(摩擦撹拌接合)、超精密加工、振動切削、IoT、ロボット活用…と画期的な技術がさまざま披露されてきた。今回は4年ぶりのリアル開催とあって、発表の機会を失いがちだった出展各社の内圧は相当高まっているのではないだろうか。

【画像1】タイトルイメージ(会場風景)
【画像2】ナガセインテグレックスの同時6軸ナノマシン「NIC-74S6-N6」
【画像3】シチズンマシナリーの自動旋盤Cincom「L20XIIB5」
【画像4】ブラザー工業の「M200Xd1-5AX」

超精密加工を非熟練化

従来機と比べ10分の1の設置スペースを実現--。

ナガセインテグレックスがそう発表する同時6軸ナノマシン「NIC-74S6-N6」はまさに内圧の高まりを感じさせる。これは既存の発想にとらわれず機械の理想構造をイチから追求する「IGTARPデザイン」という設計手法によるもので、同社が出展する7機種のうち6機種はこの手法を採用した。2018年展では同じスペースに5台しか並べられなかったというからいかにコンパクトになったかが窺い知れる。

ナガセインテグレックスの同時6軸ナノマシン「NIC-74S6-N6」

「我々が提案してきた『超精密』はいまや完全に業界に定着し、それ自体に真新しさはありません」と長瀬幸泰社長は言う。「今回展で我々が重視するのは、超精密研削でいかにお客様に利益を上げていただくか。ポイントは研削の自動化と非熟練化で、『そんな超精密加工は自動化できない・非熟練化できない』という常識に挑みます」

省スペースといえばエンシュウの立形マシニングセンタ(MC)「SV130 2APC」は毎分2万回転の15番主軸をもち、「小型機でも2APCやロボットなど様々な自動化方法が選択可能」と拡張性の高さがウリと言う。

工作機械×ロボットの融合

自動化ニーズの高まりからロボットの組合せは多くのメーカーで見られそうだ。日本物流新聞社は「今回のJIMTOFで最も気になる加工技術は何か」を出展各社にアンケート調査したところ(9月下旬から10月上旬、回答91社、複数回答あり)、回答が最も多かったのは「工作機械×ロボットの融合」(43社、上のグラフ参照)だった。

シチズンマシナリーはCNC自動旋盤ベストセラー機L20の最上位機種Cincom「L20 B5」に協働ロボットを組み合わせる。加工したワークをロボットでハンドリングし、簡易洗浄、エアーブローの後、カート上に搭載したカメラの画像認識による外観検査も行える。機種名にあるように総軸数は12で、同時5軸加工やLFV(低周波振動切削)、ATCも付く。タッチプローブまで付けられる予定というから機上計測を含め自動盤はどこまで進化するのだろうか。

シチズンマシナリーの自動旋盤Cincom「L20XIIB5」で加工した手のひらサイズの量産ワーク。ひねりや溝が多数ある。

広がり増す5軸

5軸は旋盤、小型機、微細加工機へと広がりを見せている。実に4分に一度デモ加工を実施し、「30番機の常識を覆す!」と謳うブラザー工業は、30番の小型MC「SPEEDIO」を5軸仕様だけでも2台出品する。このうち旋削軸をもちマルチタスクをこなす「M200Xd1-5AX」には28本マガジンを備える。

マルチタスクをこなすブラザー工業の「M200Xd1-5AX」

Raシングルナノの高面品位加工ができる碌々産業の微細加工機「AndroidⅡ/5AXP」(主軸は毎分6万回転)には傾斜円テーブルを搭載し、微細5軸加工を可能にする。「操る悦び」をテーマに掲げる同社機らしく、機体の温度管理用インターフェースなどを装備してオペレーターの介入機能を強化し、機械の潜在能力を最大限に引き出すという。なお新型微細加工のコンセプト機の内容は極秘で、会場で公開する予定。

日本物流新聞 2022年10月25日号掲載

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