拡大する3Dプリンタ市場[積層造形(AM)]

日本能率協会総合研究所(JMAR)は2月、世界の金属3Dプリンタ市場は2025年に2500億円規模に達すると予測した。これは2019年の市場規模(約1300億円)からほぼ倍増する見通しで、造形精度やリードタイムの短縮、設計プロセスの進歩などにより製造業への導入が加速的に進むとしている。

【画像1】ソディック「LPM325S」
【画像2】クラボウ寝屋川工場に導入された3Dプリンタ

ワーク大型化、造形高速化がトレンド

昨今の金属3Dプリンタにおけるトレンドはと造形物の大型化、造形スピードの高速化が挙げられる。

日本電産マシンツール(旧三菱重工工作機械)は6月、国内最大クラスとなる高さ1m、横2.5mの大形部品造形に対応する金属3Dプリンタ「LAMDA2000」を発表。同社の「LAMDAシリーズ」は、粉末を噴射しながら、レーザをあてて粉末を溶融し、造形していく独自のDED方式。必要な箇所に必要な分だけ粉末を供給するため、パウダベッド方式のように一面に金属粉末を敷き詰める必要がない。そのため、パウダベッド方式に比べ10倍以上の高速造形を可能している。同社では、主に航空宇宙分野の大型サイズで、チタン合金や特殊合金を使った高付加価値部品向けの活用を想定している。

ソディックは長時間高速安定造形に対応した金属3Dプリンタ「LPM325S」(画像1)を開発、10月より受注開始する。同機種は金属粉末の溶融凝固による造形と、造形物への基準面加工を1台の機械で行えるため、粉末交換作業や定期メンテナンス頻度を減らし非稼働時間を大幅に削減。生産性向上を実現している。鉄からステンレス、チタンなど様々な金属粉粉末に対応するほか、オプションのデュアルレーザーを搭載することで同社従来機比2倍以上の速度での造形を可能にする。実機はMECT会場でお披露目される予定だ。

■建設現場でも 活用進む

造形物の大型化が進む中、建設業界でも3Dプリントを活用する動きが活発化している。大林組は3Dプリンタ用の特殊モルタルと超高強度繊維補強コンクリート「スリムクリート」を一体化して構造物を造る技術を開発。3Dプリンタで積層した型枠に、常温で硬化するスリムクリートを流し込むことで、強度を確保した構造物の作成を実現した。すでに屋根付のベンチや歩いて渡れるアーチ橋などを製作。インフラから住宅建設まで幅広いニーズを視野に入れ、大臣認定の取得を目指している。

クラボウは建設用3Dプリンティング設備を大阪・寝屋川工場に導入。(画像2)セメント系材料を用いた立体造形物の受注生産を開始した。住宅や商業施設・公共施設向けの外構材やベンチ、モニュメントなどの景観材の製作をスタートしている。今後は「よりサイズの大きな中型から大型の造形物や高強度を要する造形物への対応力を高めるとともに、需要に応じてオンサイト(施工現場)でのプリンティング体制の構築も目指す」としている。